532話 ページ41
知子「もう、いくとこまでいったん?」
「え!!まだそこまでは!」
全力で両手を振って否定すると、知子ちゃんは口元をおさえて笑った。
知子「まだ……ってことは、そこまではいってへんけど、それなりの関係……ってことでええの?」
しまった。
頭のいい知子ちゃんのことだから、もうほぼ確信してるんだろうな……。
「知子ちゃん、誘導尋問なんて悪趣味だよ……」
知子「うちは単に気になったことを質問しただけやで?」
余裕そうに笑いながら、スケート靴の紐を緩めていく知子ちゃん。
私もその隣に座って、引き上げるために靴紐を解いていく。
リーザにはカマかけられて、町田さんには焚き付けられるし、知子ちゃんの誘導尋問にも引っ掛かり……
私、大丈夫かな?
そのうち自爆しちゃうんじゃないかと心配になる。
知子「そんなゾンビみたいな顔せんといてよ(笑)心配せんでも、誰にも言いふらしたりしません」
「そうしてもらわないと困ります……」
知子「少なくとも、スケーターの仲間たちはベラベラ言いふらすことは無いと思うけどなあ。……羽生くんとAちゃんの偉大さを知ってるし、2人とも周りからの信頼度が並大抵のものちゃうもん」
「……ゴシップに書かれても?」
知子「あんな下世話なネタ、誰も鵜呑みにしいひんって。そんなん言うたら、羽生くんなんてなんべんゴシップ書かれてるか数えきれへんで?」
有名税ってやつやろうけど、書かれる方はたまらんよね……と知子ちゃんが頭をヨシヨシと撫でてくる。
「知子ちゃん、優しい……。好き!付き合って!」
知子「それは羽生くんを敵に回すことになるから辞めとくわ(笑)」
羽生くん独占欲強そうやし、嫉妬深そう。
そう言って私をちらっと見る知子ちゃん。その目はちょっと楽しそう。
知子「Aちゃんは男子にも女子にも人気者やから、羽生くんは気が気じゃないやろうね」
「そんなことないと思うけどなあ。知子ちゃんのほうが人気ありそうだけど」
知子「無自覚なところが厄介なのよね。羽生くん、きっと苦労するやろうな」
まあ、頑張って。と知子ちゃんはヒラヒラと小さく手を振って帰っていった。
533話【結弦side】→←531話《全日本選手権2014 女子SP・男子FS》
233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……?なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね!こちらも幸せな気持ちになります(*´ω`*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは!いつも読んでます(*^^*)ついに、2人のお付き合いが始まりますね!更新頑張って下さい! (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜!一途なゆづくんに春よ来い!ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`・ω・´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月23日 22時