検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:118,119 hit

472話 ページ31

エキシビションもバンケットも難なく終えて、私はトロントへ帰ってきた。

今日は時差ボケの調整もあって練習はお休み。
夜、ご飯もお風呂も済ませて部屋で一人考えるのはゆづくんのこと。


ゆづくんは日本に帰った後すぐに精密検査を受けて、顔と顎に切り傷、お腹と左足は打撲?……よくわかんないけど痛めてて、右足の関節は捻挫って聞かされた。


足が……。

両足、痛めてるじゃん。
ゆづくん、そんな状態で4分半も演技してたの……。

しかも全治2〜3週間って、3週間後はちょうどNHK杯が始まるけれど……。


ゆづくんは出場するんだろうか?
もしかしたら、欠場なんてこともありえる。

いや、衝突の怪我を押してでも出場したゆづくんだもの。
簡単に諦めるわけないよね。


だけど無茶はしてほしくないな……。


ぐるぐるといろんな考えを巡らせていると、タブレットがスカイプの着信を知らせた。


「あっ!ゆづくんだ!」


タイムリーな人物からの着信にちょっと驚きつつスカイプをつなぐ。


結弦《あ、Aちゃん。やっほー》

「や、やっほぅ……」


ゆるーい喋りかたで、ヒラヒラと手を振るゆづくん。
まるで怪我なんてしてないかのような振る舞いに、この人は本当にあの衝突事故の当事者だろうかか?と疑ってしまう。


結弦《Aちゃん。エキシビション観たよー。めちゃくちゃかっこよかった!》

「ありがとう……」

結弦《あの、時々出てくる挑発するような感じの表情、今まで見たこと無くてドキッとしちゃった(笑)俺、あのAちゃんだったら、会場じゃなくてテレビでじっくりみたいかも……》

表情のアップもよく見えるし?なんてご機嫌でエキシビションの感想を伝えてくれるゆづくん。
おしゃべり好きなのは知ってたけど、今日はえらくテンションが高い気がする。


「ゆづくん、なんかいいことあった?」

結弦《え?なんで?なんもないよ?》

「だって、やけにご機嫌なきがして……」

結弦《んー……だとしたら、画面越しでもこうしてAちゃんに会えたから、かな?》

「え?」


それだけ?とポカンとしていると、ゆづくんがフッと小さな笑みを浮かべる。


結弦《心配掛けてごめんね?カナから聞いたよ。Aちゃんが、泣きそうなの堪えて俺のこと心配してたって》

「あー、うん」

結弦《泣かせるつもり無かったんだけどなあ。だから、今日はAちゃんの笑顔が見たくてこうして連絡したってわけ》

473話【結弦side】→←471話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
199人がお気に入り
設定タグ:羽生結弦 , 宇野昌磨 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

優里奈(プロフ) - エミルさん» 書いててちょっと(ほんのちょっとだけど)辛かったですー(:_;)やっぱり仲良しの二人が好きなので(^^)ここからはどんどん話が進んでいく予定です♪時間が許す時は、どんどんお話書いていきますね! (2021年9月5日 22時) (レス) id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 主人公に厳しい展開にハラハラしましたが、羽生くんと仲直りできてよかったです(*´ω`*) 更新楽しみにしていますね。 (2021年9月5日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月4日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。