写真 ページ10
チビ助が入学する小学校には初めて来たが、市立なのにやたら綺麗だった。
第五小学校……別に第一から第四まである訳ではなく、単純にここが第五地区だからというのが由来らしい。
何故か桜の木が沢山植えられていて、図鑑のものより若干ピンク色の濃い花弁が、ヒラヒラと風に踊っていた。
桜の花は青空によく映える。晴れてよかった。
ただ1つ問題なのが、校門近くで写真撮ったり話したりしてる父母も児童も全員もれなく顔がいいこと。
入学条件は顔の良さかよちくしょうって位に顔がいい。あまりにも良すぎる。
そしてチビ助も顔がいいので、私は今この場にいてもいいのかと若干不安になった。
｢…おーしチビ助、写真撮るぞ写真。｣
こういう時は気にしちゃダメだと自己暗示をかけ、学校の門の前で写真を撮ることにした。
｢写真？｣
｢ん、写真。みんなに見せないとダメだろ。｣
知らない人間に人見知りをしているのか、輪をかけて大人しいチビ助。
手を引いて門の前に立たせる。
｢おし撮るぞー、はいチーズ。｣
カシャ、と特有の音を立てて、フォルダに写真が追加される。
｢撮れた？｣
｢多分撮れた。見てみるか。｣
チビ助と一緒になって、スマホの画面を覗き込む。
真顔ではあるがしっかり撮れている。珍しく手ブレもないし斜めにもなってない。
｢おー我ながらうまく撮れた。｣
写真も撮れたし中入るかぁと歩き出すと、チビ助がスーツの裾を引いた。
｢ん、どしたチビ助？｣
しばらく俯いて無言のままだったが、決心したように顔を上げると
｢……お姉ちゃんと一緒に写真撮りたい。｣
と、ぶっきらぼうに言った。
自分で口角が上がっていくのが分かる。
これは不可抗力だ。あまりにもかわいい。
｢そうかぁ、じゃあ誰かに撮ってもらうかぁ！｣
近くにいた、青い目が特長的な男の子を連れたご家族に声をかける。
｢すみません、写真撮ってもらっていいですか？｣
｢ええ、構いませんよ。｣
さっきの場所で2人並ぶと、チビ助が手を握ってきた。
ちらりとチビ助を見ると、少し笑っている。
｢3、2、1でいきますね。はい3、2、1…よし、撮れましたよ。｣
確認してみると、2人とも笑っている、いい写真が撮れていた。
LI〇Eで送るのはこれにしようと思いつつお礼を言った。
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お豆腐(プロフ) - みんなかわいい、イライくんのお母様もぎゅーしたい、めちゃくちゃ癒されました(*^^*) (2020年8月2日 1時) (
レス) id: 4dd9818095 (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - この小説のノートンめっちゃ好きです……神作品をありがとうございます！ (2020年4月19日 10時) (レス) id: 721952ce66 (このIDを非表示/違反報告)
青海波(プロフ) - セサさん» コメントありがとうございます。ほっこりして頂けて嬉しいです。 (2019年8月20日 20時) (レス) id: 38cf9ad071 (このIDを非表示/違反報告)
セサ - 見ていて,凄くほっこりします｡読んでいて、とても癒されます。 (2019年8月18日 23時) (レス) id: 5854977ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青海波 | 作成日時：2019年7月29日 2時
