クラス分けと迷子 ページ11
式は粛々と進んだ。
チビ助はずっと静かに大人しくしていたし、そんなに騒ぐ子自体少なかった。
当時は死ぬ程長く感じた入学式も、大人になると短いものだ。
内心しんみりしつつ、チビ助の入退場をビデオ録画した。
あと教師陣も美男美女揃いだった。なんなんだこの学校眼福じゃないか。
式から帰ってきたチビ助を連れて、クラス分けの紙を見に行く。
1組から順番に見て回るが、中々見つからない。
｢次は4組か。えーっ、とぉ…お、あったぞチビ助。｣
｢あ、本当だ。｣
おし教室行くかとまた手を引いて歩くと、途中で銀髪の男の子がおろおろしながら辺りを見回していた。
近くに親らしき人はいない。迷子にでもなったのだろうか。
｢おーいそこの銀髪の子、どしたのこんな所で。迷子？｣
声をかけると、男の子はビクッと肩を跳ねさせた。
｢え、あの、えっと……｣
なるほど人見知りが激しい子らしい。
｢あ、急に声掛けてごめんねびっくりしたね。ちょっとここ危ないから端っこに寄ろっか。｣
チビ助の手を引きながら、銀髪の子と壁際に並んだ。
｢んー…親御さんとはぐれちゃったのかな？｣
｢あ、え、あの…あぅ……｣
ダメだこういう子に対する接し方が分からん。
どうしたもんかなーと考えていると、チビ助が手を離して、銀髪の子に話しかけた。
｢迷子？｣
う、と言葉に詰まりながらも、銀髪の子は首を縦に振った。
｢お父さんとお母さん、どこ行ったかわかる？｣
銀髪の子は、小さな声で 教室 と言った。
｢君、4組？｣
また頷いた。
｢僕も4組なんだ。今からお姉ちゃんと教室に行くから、一緒に行こう？｣
チビ助がそう言うと、銀髪の子は恐る恐る私を見た。
なんとなく、ついて行ってもいいのかと聞いているようだった。
｢そうだね、もし君が良ければ一緒に行こっか。｣
銀髪の子の雰囲気が、ぱっと明るくなった気がした。
お手柄だとチビ助を撫でると、チビ助は嬉しそうに、頭を押さえていた。
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お豆腐(プロフ) - みんなかわいい、イライくんのお母様もぎゅーしたい、めちゃくちゃ癒されました(*^^*) (2020年8月2日 1時) (
レス) id: 4dd9818095 (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - この小説のノートンめっちゃ好きです……神作品をありがとうございます！ (2020年4月19日 10時) (レス) id: 721952ce66 (このIDを非表示/違反報告)
青海波(プロフ) - セサさん» コメントありがとうございます。ほっこりして頂けて嬉しいです。 (2019年8月20日 20時) (レス) id: 38cf9ad071 (このIDを非表示/違反報告)
セサ - 見ていて,凄くほっこりします｡読んでいて、とても癒されます。 (2019年8月18日 23時) (レス) id: 5854977ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青海波 | 作成日時：2019年7月29日 2時
