家系能力 愛 【魔入間】

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「せんせ」


びくりと体が跳ねる
いくら生徒とはいえ油断していた。気配すら感じ取れないなんて
後ろを振り返ると無表情ではあるがどこか不思議そうにツムルを見つめるハニエルの姿がそこにあった
ああ...通りで気配を感じ取れないわけだ。相手はハニエルの子なのだから


「おーーAさん。どうかした？」


へら、と表情が緩む
この男アクドルオタクなだけあり、どこか面食いな節がある
顔がいい女悪魔が好きなのは勿論のこと、目の前のハニエル・Aの顔は整ってるとかそんな話ではない。この男にとってあまりにもドタイプすぎた

それはもうアクドルになってくれないか考えるほどには



「ああ、特に用事はありませんよ。ただ...先生を見かけたので話しかけただけです」


「ええ何それかわ...そっかぁ」



生徒相手に面と向かってかわいいとかほざくところだった
そんなことがあった暁には首がつながっているかどうか怪しい

それにしたってあのハニエルの子が本当に雑談のためだけに呼び止めるなんてことがあるのか？
不意に思い出す、ライム教師担当の誘惑授業のことを



あの授業は実際にこの学校に既存している悪魔に誘惑をする
ごく稀に教師を対象に誘惑を試みる生徒がいなくもないというのは聞いたことがあった





「授業は楽しい？どれくらい進んだの？」



「授業らしい授業は植物塔での、魔術を込めて花を咲かすくらいですね。次は処刑玉砲をしますよ」



「そっかそっか！処刑玉砲かーー懐かしいな
.........？」




まだ選択授業にすら入ってないのか？
てことは誘惑授業は始まってもなく、彼女は誘惑する必要なんてないということになる

本当にただ純粋に話したかっただけ、と
生徒とはいえ、あまりに真っ直ぐな言葉をなんの前触れもなく受け止めてしまい、動揺する

じんわりと顔に熱が帯びていくのがわかる



「せんせい、ツムル先生
凄い顔が赤くなってますけれど、大丈夫ですか」



「はーーー、この悪魔たらしめ...」



「はい？」



無自覚なのがタチが悪い
この悪魔は本当に顔がいいんだから、マジで勘弁してくれ



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次話↓
彼女にとって今後深く関係してくるのはウァラク･クララちゃんです。これはクララちゃんの羽が 天使の羽説 にちなんでますが...


正直な話、推し贔屓してるだけです


クララちゃんがそう言うなら私はどちらでも。という発言だったりが増えるやもしれませんので今後の展開にはご注意...⚠︎

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