【江戸川乱歩】何故か事務員の私が名探偵様に揶揄されている

いうこと ページ10

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「見事推理を的中したのは此、僕！！ それで、負けた方が何でもいう事を聞くっ！、だよね？」


「ソッ、ソノトオリデス......」


最悪だ......よりによって、乱歩さんとは......神様、悪夢なら覚まさしてください......。私は未だ死にたくは有りません。




「ん、A、おいで。」




不意に乱歩さんに呼ばれた。何されるんだろ......乱歩さん、子供っぽいとこ有るから、顔に落書き戯れるとか......？ 嫌だなぁ。


「あれ......」


乱歩さんが私の頬に手を掛けた。うっ、きっと、この後、顔に落書きされるんだ......。


と思っていたが、いや、ちょっと待って！？ 乱歩さんの顔が近づいてくるんですけど.......！ か、顔に落書きはッ！？


待って待って。このままいくと、接物(キス)！？ 待って、待って、待って！？


私がテンパってると、乱歩さんの額が私の額に当たり、コツンと音を鳴らす。


「へ......？」




「なァに？ 接物(キス)戯れるとでも思ったわけ？」




乱歩さんがニヤニヤしながら云う。乱歩さんは、最初っから、私を揶揄(からか)う目的で......！？ 私が口をパクパクさせていると、乱歩さんが吹き出した。


「ほんっと、君は面白いね」


「わ、笑い事じゃないですよッ！ ほ、本気で......本気で......！」


「本気で......何？」


「うっ、何でも有りません！！！」




乱歩が「本当に接物(キス)してやろうか」と迷ったのは、此処だけの話。

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