【江戸川乱歩】何故か事務員の私が名探偵様に揶揄されている

推理勝負 ページ5

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「事件の被害者は、異能力を持たないが、非合法組織......ポートマフィアの構成員だ。」


ポートマフィア......という単語にドキッとする。探偵社と同じく、異能力者を集めた最も危険な組織だ。被害者は男。ある路地裏で血を流し、倒れていた。体には傷が絶えない。


「"異能を使った殺人と見られる"其の根拠は？」


「前にあった事件に似ている。手口も、殺し方もな......」


刑事さんがそう云うってことは......犯人が分かっているのでは無いだろうか。被害者の人がポートマフィアということは......加害者も......


「加害者は、恐らくポートマフィアの芥川龍之介だと考えている。」


あ、芥川龍之介......聞いたことある、というか、探偵社に入ってる限り、其の名を聞かないという事はまずないだろう。


「待ってください。犯人が分かっているなら、なんで......」


「要するに、其の芥川とやらの居場所を突き止めて欲しいんだね？」


「そうだ」と刑事さんは云った。さすが乱歩さん。依頼内容まで当ててしまうとは。これくらいのこと、乱歩さんにとっては朝飯前なのだろうなぁ......


「オッケー！ 其の依頼、名探偵様が承(うけたまわ)ろう。さ、行くよ！ A。」


「は、はい......」

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