莫迦で単純で鈍感 ページ30
*
「乱歩さん、まぁた揶揄う気じゃないですよね。」
「違うよ。今回は何時も頑張ってくれてるAに元気出してもらうから。真剣にね〜」
翡翠色の瞳で頬杖をつきながら乱歩さんは此方を見つめてくる。......何だか信憑性がないなぁ。
「Aはさぁ? 僕との関係を勘違いされるのが嫌なの?」
嫌? 別に嫌という訳でもないけど。うん。別に嫌な訳ではない。でも
「嫌って訳じゃないですよ。でも其れって勘違いな訳で本当はその関係は無いじゃないですか! そんな”無い”ことを”有る”と思われてプラスなことはありませんよ。」
私だってわかっている。乱歩さんは散々私を揶揄ったりするが、本気じゃない事ぐらい。揶揄っているだけなのだから、何処まで行っても”無い”んだ。すると乱歩さんはため息をついた。
「はぁ、本当にまだ気づかない訳? 前にも云ったけど君は実に莫迦で単純で鈍感だ!! 本当に呆れちゃうくらいにね!!」
「なっ! 元気出させるとか云っといていきなり罵倒ですか!?」
本当にこの人は一体何をしたいのかが掴めない。全ッ然元気も何も出ないんですが。すると乱歩さんは一呼吸置いて「だからさ」と云った。
「だから......本気じゃないのにこんな事する訳ないでしょ。」
「え? 其れってどういう......」
私が云いかけると、乱歩さんはいきなり立ち上がり、此方へ近づいてきた。すると私のおでこに何かがふわりと触れた。理解するのには時間がかかった。
「A」
えっ、は......今、乱歩さんにおでこに
「ら、乱歩さんど、どういう意味合いで......?」
「ほんっと呆れちゃうなぁAには。取り敢えずさ、元気出たでしょ? じゃあ、僕はこれで〜」
乱歩さんはそう云うとドアを開け部屋を出て行った。呆然とした私を置いて。
その後、乱歩さんがドアの向こうで蹲って顔を赤くしていることはAは知らない。
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夜桜柊華(プロフ) - らおらおさん» 有難うございます!! 更新ペースめちゃくちゃ遅いですが、気長に待ってくださると有り難いです! (2019年4月27日 7時) (レス) id: 2ba62656ff (このIDを非表示/違反報告)
夜桜柊華(プロフ) - 坂竹会長さん» 有難うございます!! お気に入りだなんて嬉しいです笑 (2019年4月27日 7時) (レス) id: 2ba62656ff (このIDを非表示/違反報告)
らおらお(プロフ) - 無理せず更新頑張ってください!応援してます! (2019年4月2日 13時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 今までの乱歩さんの小説のなかでお気に入りの小説です!!ぜひぜひ更新してください!!今なら絶賛!鼻からケチャップが……((殴 季節の変わり目ですのでお体にはお気をつけて〜♪ 失礼しました_ーд#_;; (2019年3月23日 15時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜柊華(プロフ) - しあ(^.^)/さん» 有難うございますっ!! 更新遅いですが、頑張っていきます! (2019年3月23日 7時) (レス) id: 2ba62656ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうか x他1人 | 作成日時:2018年9月17日 19時