【江戸川乱歩】何故か事務員の私が名探偵様に揶揄されている

机で ページ29

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「お願いだから誰か私を消してください......」


ナオミちゃんとの衝撃の昼食後、私は自分の机に突っ伏して嘆いていた。するとそうなった原因の一人がひょこっと現れた。


「あれ〜A〜？ 珍しく落ち込んでるじゃんどうかした？」


飴を舐めながらまるで他人事のように乱歩さんが云った。乱歩さんが私を押し倒すなんてしなければ......こんなことには......はあ。今更過去を悔やんでも遅いか。だいたい太宰さんも云いふらさないとか云ってたのに......。そして案の定太宰さんは行方不明だ。


「何ですか乱歩さん。私に構っている暇があったら仕事をするか探偵社の皆さんの誤解でも解いてきてくださいよ......。」


私は机に突っ伏したまま応えた。もう駄目だ、これ程の誤解を皆さんにされてるんだから私はもう探偵社では生きていけない......。


「えーA大分落ち込んじゃってるじゃん。大丈夫だって〜皆、そんなに気にしてなかったよ〜やっぱりそうだったのかとは云ってたけどね〜！」


やっぱりそうって......確信させちゃってるじゃん。本当は別に乱歩さんと私は何でもないのに......！


「本当にAはしょうが無いなぁ？ 此、僕がAに元気出させてあげるから！」


「な、何ですかそれ......」


私は揶揄されるのかと不安に思い、顔を上げた。顔を上げると、乱歩さんは私が座っている向かい側で頬杖をついていた。

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