水を向ける (ページ11)

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何故ページ11

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やっぱり、でかい…

マンションに来たのは二度目だがその大きさには慣れなかった

警備員の方に会釈をして中へ入っていき、貰った紙に書いてあった番号を確認してエレベーターの50階のボタンを押した

ご飯なに作ろうなんて考えながら、はじめて来た時のような長い時間を壁にもたれながら待っていた

だが今日は何故か５０という数字が少しだけはやく感じた緊張もあまりない

それ程、私は卓さんに会いたいと思っていたのだろう

すぐに扉は開いた

深呼吸をしてからあの鍵を取り出しドアを開けようとする

『え、掛かっていない… 』

卓さんの家のドアは開いていた

帰ってきたのかと思ったが、玄関には見たことのない私よりも大きな二つの靴が揃えてあった

流石に泥棒が靴を揃えて入ったりしないよね

と思いながら恐る恐る入ると、

「たぁぁぁぁあくぅぅぅぅう！！！」

明らかに卓さんではない人が私めがけて全速力で向かってくる

『わ、私は卓さんじゃないです！』

「 …え、え、え、え」

走ってきた男の人は私に抱き着く寸前でピタッと止まった

危ない…知らない人がキス顔で走ってくる恐怖よ……

「あああああ！卓さんの彼女！」

次の瞬間、廊下を渡ったリビングからも大声が響いた

聞いたことのある声聞いたことのある言葉

『 …遥輝さん？』

私から顔は見えないが確信した

「遥輝の彼女？！卓の嫁？！」

「どっちでもいい、とりあえず、この杉谷拳士と家庭を築きませんか」

さっきからこの人は誰なの…

おまけにプロポーズらしきものもされた

色んな意味で動けなくなっていると、遥輝さんがすぎや？の頭を優しく叩き私から離してくれた

「うるさいやつめ」

遥輝さんは苦笑いをしながら、すぎやは鼻の穴を大きくさせにやにやしながら、私の方を向いている

「あのま、前は急に言ってしまってごめん」

「俺、西川遥輝です」

「 Aさんだよね？」

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何故、遥輝さんが私の名前を知ってるのか

何故、遥輝さんと一度も目が合わないのは

私には分からない