田中の樹君。3 (ページ19)

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文化祭6 ページ19

Aside

ちょっと待って。
突然田中君の口から出た言葉が予想外すぎて、頭が追い付いてないんですけど。

『ふざけてる？』

「いや、ふざけてない。」

『待って、待って。』

「ずっと、曖昧にしててごめん。
けど、俺はAが好きだから。」

『けど、田中君には先輩がいるでしょ」

自分でも聞いたことのない位怖い声出してる。

違う。こんなこと言いたくないのに。

「関係ない。俺が好きなのはAだから。」

『．．．』

「Aの気持ち聞かせて」

私は．．．．．．。
田中君が真剣な眼差しで私を見つめてる。

「待って、樹。」

と私の腕をつかんだのは、走って来たであろう息切れしてるジェシー君だった。

「ジェシー．．．．．」

「ごめん。Aちゃん借りるね。」

田中君への返事をするまでもなく、ジェシー君に引っ張られていく。

『ちょ、ちょ、ジェシー君？？！！』

「ごめん。Aちゃんに先に聞きたくて」

と、連れてこられたのは屋上。

「ごめんね急に」とHAHAって笑うジェシー君。

「でも、あの時答えづらそうだったから」

『え．．』

「きちんと俺を振ってくれない？』

『ちょっと、待ってジェシー君』

「俺、Aちゃんが樹の事好きなの知ってるよ。」

「ずっと見てたんだし」

『けどっ。「区切り付けさせて」

『．．．．．分かった。』