わたしと西蔭。【西蔭政也】【野坂悠馬成り代わり】 (ページ5)

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灰崎くんと別れて

客席で良い場所を見つけて

背もたれに座る。

西「…Aさん、そろそろ普通に座りましょう」

『どうして？』

西「貴女が怪我でもしたら、大変です」

『大丈夫。
落ちそうになっても、西蔭が助けてくれるでしょ？』

静かに微笑むと

また西蔭は、顔を赤くした。

西「…からかわないで下さい」

『今回はからかってないよ？』

西「今回はって…いつもはからかってるんですか」

『さぁね？
それより、試合始まるよ』

西「……」

ふふっ、

ごめんね？西蔭。

雷門と美濃道三の試合

雷門ボールで試合が始まった。

強化委員の壁山塀吾郎は、捻挫をしてしまったようで、試合には出られず

ベンチにいた。

雷門は攻め上がろうとするが、美濃道三の堅い守りに苦戦していた。

そして、攻め上がるのを止め、パスを回す事に。

0対0のまま、前半は終わった。

『…美濃道三、守りが堅いっていうのは本当みたいだね』

西「ですね」

『でも…私なら、あの守りは簡単に崩せる』

西「Aさんに適う人などいませんよ」

嬉しい事を言ってくれるね、西蔭は。

後半開始、雷門が美濃道三からボールを奪うと

美濃道三はすぐに、守備に戻った。

前半と同様、攻めようとしない雷門。

今は攻める時じゃない、

雷門は…正確には、雷門の11番のおデブくんが気付いたみたい。

『へぇ…やるね。
雷門の11番のおデブくん』

西「どうかしましたか？」

『彼も気付いたみたい。
あの監督の狙いに』

このまま雷門も守りを続けていたら

美濃道三も得点出来ない。

あの監督も考えたね。

やっぱり…実は凄い人なのかな？

あの監督は…。