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「さ〜て、全員揃ったところで本題だ」
「......ねぇ、迅さん。ちょっと訊いていい？」
「お、どうした？遊真」
「そのツムリって人は、本部の人なの？」
白い髪の子が、わたしの方を見て、そして迅くんの方へと視線を動かす。
怪しまれて、警戒されてるのが嫌でも伝わるほどに無機質な声と、威嚇するような瞳。
空気が若干揺れた様な気がした。メガネの子と小さな女の子もこっちを見ている。
きっと、迅くんか栞ちゃんに聴かされていたんだろう。
“玉狛のＡ級隊員は、迅くんの他には３人” と。
「ああ、紡莉は＿＿＿＿」
『本部の人間だよ、わたしは。......不安？』
「ちょっと！A！？」
わたしの隣で桐絵が目を見開き、怒りとも驚きとも言えない声を上げる。
とりまるくんやレイジさんもこっちを見ていた。
故意にそうしたとはいえ、少しばかり言い方が悪かったかもしれない。
「確かに、紡莉は本部所属だ。けど、こっちの情報を言いふらすような悪いやつじゃないよ。おれが保証する」
「...そっか。迅さんが言うなら安心だな。
すまんね、つむり先輩。うたがったりして」
『ううん、気にしないで。わたしにも非があるから』
ちょっと実験させてもらったのは事実だし。
後で迅くんに訊いて確かめよう。
そのあと、迅くんと支部長の計らいにより、玉狛師弟が誕生した。
それぞれ１対１で桐絵と遊真くん、レイジさんと小さい子、とりまるくんとメガネくん。
小さい子が雨取千佳ちゃん、メガネくんが三雲修くんという名前だと栞ちゃんに教えてもらった。
「見なさいA！あたしにも弟子が出来たわよ！」
『よかったね〜桐絵。また１つお揃いだよ！』
「ふむ？つむり先輩には弟子が居るの？」
『あ、うん。最近は独立してきたけどね......』
「ぜひ仲良くしてあげて」と伝えると、「了解した」と遊真くんは笑ってくれた。
入隊すれば、多分近いうちに出会うことになるだろう。ほぼほぼ毎日通って、ランク戦してる子だから。
訓練室に入っていく２人を見送って、栞ちゃんと一緒にモニターを確認するかと思ったけれど、なんとなくそのままソファーに座った。
一息ついて、ふと目についた壁掛けの木札に視線を向けて気づいた。
『......残ってるんだ』
そこには、玉狛所属の隊員の名前が書いて並んでいる。
迅悠一、小南桐絵、紡莉A＿＿＿わたしの名前も。
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作者名：ちょみぱっち | 作成日時：2022年5月29日 18時
