半径１ｍ【ワートリ】 (ページ8)

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side三雲

「あたしのどら焼きが、ない！！」

盛大にドアを開けてそう叫けんだ誰か。
どら焼き......どら焼きってまさかぼくたちが昨日食べたやつなんじゃないか。
ぼくの不安な予測を無視して、その人は真っ直ぐ前......陽太郎の方へと進み、そして首ねっこを掴み上げた。

「おまえかぁ？おまえが食べたのかぁ！？」

「たしかなまんぞく......」

「おまえだなあぁ！！」

もの凄い勢いで問い立てるので、「ぼくらが食べた」と言い出すこともできず。
宇佐美先輩が口を開くまで、陽太郎とその人の勘違いによる、小さな喧嘩が続いていた。

「ごめ〜んこなみ......昨日、お客さん用のお菓子に使っちゃったぁ......てへっ」

「......はあぁぁ！？」

「ごめん、ごめんってばぁ！今度買ってくるからぁ」

「あたしは今食べたいのよぉ！！」

「小南」そう呼ばれた人が陽太郎から手を離したため、床へと落ちそうになったのをスライディングで滑り込んで防ぐ。
......少し、いやかなり痛い。

「なんだなんだ？騒がしいな」

「いつも通りじゃないすか」

『きっ、桐絵......ってお客さん？』

「よぉ。レイジさん、京介、紡莉」

もしかして、この人たちが......
実力者揃いの少数精鋭、玉狛支部のＡ級隊員、なのか？

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