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said 迅
紡莉と嵐山隊が援護に来てくれるのが確定した数日後。
視えていた通りの日程で、その日はやって来た。
ここまではうまく事が進んでいる。
紡莉が“例のトリガー”を持って来てくれるかで多少の立ち回りは変わるが、普通のトリガーでも勝率は充分。
問題は、
この戦いが、紡莉の心にどう影響するのか。
あいつは昔から“周囲が傷つくこと”を怖がっていた。
だからなのか、何時からか「嫌だ」を言わなくなった。
それどころか表情にも、立ち振る舞いにも出さない。
きっと、今回の争奪戦も参加したく無かっただろう。
遊真を守ること。それはあいつの嫌う、身内で争うことと同義なのだから。
「邪魔するな、迅。お前と争っても仕方が無い」
「俺達は任務を続行する」
「こっちにも事情があるんでね。別に戦争するつもりは無いけど、大人しく渡す訳にはいかない」
「......あくまで抵抗を選ぶか」
「当然知っているだろうが、遠征部隊は黒トリガーに対抗出来ると判断された部隊だ」
「俺達を相手に、お前１人で勝てるつもりか？」
「おれはそこまで自惚れて無いよ」
「遠征部隊の強さはよく知ってる。そこにＡ級三輪隊」
「おれが黒トリガーを使ったとしても、いいとこ五分だろ」
「......おれ１人だったら、の話だけど」
「「！！」」
上空で屋根を叩く足音が４セット。
藍染の夜空の下でも、その赤い隊服はよく見える。
そこにもう１人。
暗闇と同じ深い紺色に、蛍光に似た水色のライン。
小南と宇佐美の特製、オリジナルの隊服。
「嵐山隊、現着した！」
「忍田本部長の命により、玉狛支部に加勢する！」
「嵐山隊......！」
「って、紡莉も居るじゃん！」
『出水くんだ、久しぶり』
「遅くなったな、迅」
「良いタイミングだ嵐山。助かるぜ」
「紡莉も来てくれてありがとな」
『ちゃんと来るよ。先輩だからね』
この戦いで、どこまで未来が変わるのか。
まずはここを切り抜けなきゃ、先は最悪になる。
さあ、
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作者名：ちょみぱっち | 作成日時：2022年5月29日 18時
