病んでる愛を【呪術廻戦】

伏黒恵 不安2 ページ5

ギギイと古びた扉を開ける。

そこには恵が立っていた。






フェンスの外で。

『恵...？なにしてるの？危ないよ...？』

そう言うとさっきまで下を向いていた恵は
決意を固めたような目でこちらをみてきた。
そして

「今から俺はここから落ちる。





本当に俺のことが好きなら一緒に落ちてくれるよな？」


そう言い終わる頃にはもう真剣な表情はなく
ただ不安そうな、諦めたような顔をこちらに向けながら恵は落ちていった。
そんな恵を追うように私も飛び降りる。訳もわからず。




いや、本当は分かっていたのだ。

これが得策でないことも、
私が飛び降りたところで結局は助からないことも。


でも恵を1人で寂しく死なせたりなんてできなかった。
あの時私が既読無視なんてしなければ...違う、今はそんなこと、どうでもいい。
きっとこのまま私達は助からないのだ。

だから、せめて最後に伝えなければ。


『恵ぃ...愛してるよ...』


そう震えた声で泣きながら言う私と反対に、
恵は嬉しそうな顔をしていた。


この顔が最後に見れたならもういいや、そう思えた。







「鵺」

そう恵が手で鳥の形を作り言った瞬間、
鵺が恵の肩を掴み、私達の体はふわっと宙に浮いた。

静かに私達を地上に下ろすと鵺は恵の影の中へと消えていった。
混乱する私をよそに


「Aは俺のこと好きだよな？」


今さっきまで死んでしまう寸前だったのに、

いつものようにあの言葉を言う恵はいつものような不安そうな表情は浮かべていなくて

恐ろしいほどに優しい表情だった＿＿＿＿。





＿＿＿証明して？安心させて？＿＿＿




ヤンデレ要素少なかったな...。
なかなかキャラの魅力を伝えるのって難しい。

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