ずっとKnightで居られるように#1 (ページ18)

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北斗side

口元の違和感はきっと酸素マスクのせいだ

慣れてるからわかる

ゆっくり目を開けると、いつもの顔がすぐに視界に入ってきた

皆居るってことは、もう俺の状態も知ってるんだろうな

北「ん、樹…起きたい、」

樹「無理すんなよ？」

樹の手を借りて身体を起こし、酸素マスクを勝手に外す

大「苦しくない？平気なの？マスク外して」

北「ん、大丈夫。喋りにくいから」

ジ「よかったぁ、元気そうで安心した」

北「ごめんねジェシー、びっくりさせたよね…。俺、どうなるの？」

俺の質問に、皆表情を強ばらせる

良い答えじゃないんだな

樹「もう、入院してもらわないと困るって……元の生活には…もう戻れないって…言われた」

北「…そっか」

慎「北斗、我慢しなくていいんだよ？」

北「我慢はしてないよ。いつかは来るってわかってたし、長く生きられないことも知ってたし。ただ、ごめんね…ほんと…」

俺より、樹やジェシーの方が辛いだろうな

冷静な自分に嫌気がさす

ジ「大丈夫。皆最期まで傍を離れないから。もう俺ら家族でしょ？」

ジェシーのこの言葉と、ジェシーの温もりが同時に伝わってきて、俺はようやく涙腺が緩んだ

多分俺は泣きたくても泣けなかったんだ

やっぱりジェシーにはかなわないな

"俺ら家族でしょ？”

この言葉が、家族が居ない俺にとってはなにより嬉しかった