虹柱、死んだって【鬼滅の刃】

▽ ページ17

目の前で何が起こってるのか
理解するには時間がかかった






上弦の参が自らAに頸を斬れと





Aは拒んだ




お兄ちゃんと上弦の参を呼んだ



Aの兄なのか



何百年も入れ替わっていない上弦の鬼と


血の繋がった兄妹なら



Aは人間じゃないことになる







吸収しろと言う上弦の参を吸収しているのか

徐々にAに取り込まれていくのが分かる





『……お兄ちゃんｯ…………私も愛してる……ッ』




泣いている




だが泣くのをやめて少し悲しそうに笑った








大好きだよ狛治お兄ちゃん、と





『恋雪さんに顔向けできないなぁ…』




恋雪さんって誰だ？




「Aさん……」




炭治郎がAを呼ぶ




『……ごめんね、半端者なんだよ私
鬼の血が混ざってて何百年と生きてる
半分は人間だから陽の光は平気なんだ

上弦の参、猗窩座は私の実の兄

話すと長くなっちゃうけど


鬼舞辻無惨に言われて鬼殺隊になったわけじゃない


これだけは知っててほしい』



「Aさんは、その、半端者となってから人間を食べたことは……」


『ないよ、食べたくないって言ってたから
お兄ちゃんとか他の鬼たちの血を飲んでた』


「……A
俺は、お前が生きていたことが嬉しい

それと同時に悲しい

知らなかった、抱え込みすぎるな」



『ほんと、言葉足りないですね

先進んでください、私は他の上弦を倒しに行きます』






立ち上がり、俺と炭治郎にそういうと走っていった




「炭治郎」




ぼーっとしてしまっている炭治郎に声をかける



「！……すいません」


「いや、いい……行くぞ」


「はい！」

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