虹柱、死んだって【鬼滅の刃】

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義勇も炭治郎もボロボロだ



俺が攻撃し二人が傷つく度Aは顔を顰める



苦しそうに
もうこんなの見たくないと言わんばかりに






「終わりにしよう」






拳を下ろし、Aを呼ぶ






「俺の頸を斬って吸収しろ」



『は、』



「義勇や炭治郎が傷つく度顔を顰めるお前を見たくない、俺は自分の命よりお前を優先するだけだ

俺を吸収しろ、そして強くなれ

大切な人を守るために力を使え」





泣くな




俺はお前が幸せなら



それでいいんだ



俺が鬼になってから無惨様に仕えて
巻き込んでしまった

半端者だと自分で言っておいて
悲しそうに笑っていたな





『ッお兄ちゃんを斬れって…そんなことｯ！！』


「お兄ちゃん…？」


「猗窩座がAさんの？」


「そうだ、俺がお前たちに攻撃することはもうない
Aが俺を斬るからだ

A、俺を吸収しろ
血鬼術も使いやすくなるはずだ

他にも守るものがあるだろ」





あの人は守るって決めたんだと
Aが言ったことは忘れたことがない

今は風柱なんだって言ってたな




『お兄ちゃんがいなくなったら私…』


「風柱のところに行かなくていいのか

ここにいる義勇と炭治郎もお前を好いているように思える、お前はひとりじゃないだろ

鬼狩りは皆お前を心配してくれているようだぞ


もっと守る奴はいるんじゃないのか」






鬼狩りとして、鬼を斬れ






『！！！……ｯ虹の呼吸 “翠” 弐ノ型 爪々・科戸風』





視界が逆さになる

頸が斬られたのだと理解するのは早かった






『お兄ちゃんッ！！！』





Aは鞘に刀をおさめ、俺の身体を抱きとめた






「A…吸収しろ」



『おにい、ちゃん』



「………早くしろ」




徐々に吸収されていくのが分かる

俺ももう死ぬ



「やりきれ、下手に死ぬな

強く生きろA………愛してる」





大切な妹



こんな形でお別れか……

鬼にならず人間として
平和に死ぬまで暮らしたかった、なんて

今更すぎるか




俺はせめて、お前には、Aには





幸せになってほしい

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