はなことば -2-【短編集】

煌めきのヒペリカム ページ16

ゆにばーす 川瀬名人


side川瀬


「川瀬」

川瀬「なんや?」

「ポケモン対戦してよ」

失恋の傷が癒えていない彼女に「好きだ」と告白して、まさかOKを貰えるとは思っていなかった。

けれど、彼女は失恋からすっかり立ち直って元の明るい性格に戻っていた。

川「ええよ。また俺が勝つけど」

「今回は負ける訳にはいかないんだ…」

付き合ってから日は浅いけど、毎日のようにポケモン対戦したり、帰りに寄り道したり。

ありきたりな毎日に、色がついたようで充実している。

「…よし、勝てる勝てる」

川「ちょ…A、今の技は…あ、嘘やろ1体やられた!」

「よっしゃー!」

川「次は…これで行くか」

お互い譲らぬ戦いを繰り広げ、手持ちは残り1体ずつになった。

手持ちの体力が残りわずかになった時、俺はある「秘策」を使うことにした。

川「A」

「なに!?」

川「愛してる」

「へ…?あ、技間違えた!」

川「…っし、俺の勝ちやな」

喜ぶ俺と対照的に、顔を真っ赤にして無言のA。

秘策は上手く行ったみたいだ。

「川瀬おま…っ!?」

川「潔く負け認めんと…な?」

「参りました!」

川「…!?」

お互い額にキスし合って顔真っ赤にするって…。

ガチャ

はら「…2人で顔真っ赤にして何があったの?」

2人「「これには色々と訳がありまして…」」

彼女と描いていく恋の日々は、キラキラ輝いていくのだろう。

ヒペリカムの花が、陽の光を受けて綺麗に輝いていた。



ヒペリカムの花言葉「煌めき」

「悲しみは続かない」

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