はなことば -2-【短編集】

恋の呪いはクロユリに ページ1

バカリズム


sideバカリズム


「まっすーまっすー」

バカリズム「なに?」

「暇だから構って」

バ「今ネタ書いてるから後でね」

昔から付き合いが長い友人のA。

ネタ合わせ中の俺に覆いかぶさり、構えと言って離れてくれない。

バ「あの…持たないから。色々と」

「ほぉ〜…。ならば仕方ない」

バ(ちゃんと理解してくれたかな…)

理性危なかったな…と思いつつ、1人パソコンに向かって脚本を作る。

「…エゴーエゴーアラクネア、エゴーエゴーアラクネロ…」

バ「いきなり怖いんだけど」

「見てよこれ。古本屋で見つけた!」

バ「誰でも使える黒魔術?」

A、こういうの好きだったんだ…。

バ「こういうの信じるの?」

「いいじゃん信じたって!」

バ「信じるって言っても小学生じゃないんだから…」

笑いながら本を返そうとしたけど、あるページに挟んであった栞が気になった俺は、その手をとめた。

バ「…なにか気になる呪文あったの?」

「まっすーバカにするから言わない」

バ「怒ってんの?」

「べっつにー?」

もしも黒魔術で恋が成就するのなら。

君が確実に僕に落ちる呪いをかけて、1秒でも早くAのことを手に入れるのに。

部屋に飾られていたクロユリが、この空間に少しばかり呪いをかけてくれたようだ。



クロユリの花言葉「恋」「呪い」

恋文はアガパンサスを添えて→

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