女医さん7 ページ8
『兎に角、太宰の女になったら碌でもない事になるわよ』
桔梗さんからの言の葉
パーティーが終わり、彼女とも別れた後なのに何故か頭に残り続けていた
少し考えて、左耳をそっと手で覆う
「…」
『今夜襲うよ?』
パーティーで彼に囁かれた言葉
きっとあんな風に何人もの女性に囁いたのだろう
きっと其の言葉に何人もの女性が悦んだのだろう
容易に想像がついたのが何とも憎たらしい
それなのに如何して私は──────
そんな事を考えているうちに、目の前の風景がよく知った間取りとなっていた
.
翌朝
定時に仕事場につき、何時も通り仕事を始めた
とは云えど、怪我の来訪者や連絡は全く来る気配も無く、暇を持て余しているのだが…
「そう云えば、太宰幹部今日は未だ来てない…」
時刻はもう十二の数を指す頃
何時もなら此の時間には疾っくにいるのだが…
「一条さん」
ボーッとしていた頭が覚醒する
何でしょうか、とサボっていた訳ではないのに、妙に気の入った返事をしてしまう
「荷物運び、少しだけ手伝って貰える?」
「荷物運び…ですか?」
上司に荷物運びを任された
荷物運びというよりも、配達と云った方が正しい
上に上にと重ねられ質量を増したダンボール箱を持って、覚束無い足で其の人物の部屋に向かう
「あれ?」
ピタッと足を止める
目的の部屋の前に誰かいるのだ
止めていた足を再度進め近づく
「太宰幹部…と、─────桔梗、さん?」
其処にいたのは目的地の部屋の主の太宰幹部と、私のよく知る“元”上司だった
咄嗟にダンボールで顔を隠す
如何して、桔梗さんがいるのだろうか
仲睦まじそうに会話をしている一組の男女の声
何方も顔も整っている為、傍から見れば美男美女の恋仲である
上手く頭が回らない私の事に気付かず、幹部室へと二人は入って行った
『兎に角、太宰の女になったら碌でもない事になるわよ』
あの言葉は何だったのか──────
(心臓が痛い…苦しい…)
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あほ毛100%(プロフ) - 五月雨花火さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると本当に有り難い限りです!m(_ _)m 更新頑張ります!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨花火(プロフ) - むっちゃこの作品好きです!更新頑張って下さい!!! (2018年8月17日 21時) (レス) id: 21ac55d013 (このIDを非表示/違反報告)
あほ毛100%(プロフ) - ★★さん» ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです!!これからも頑張ります! (2018年7月4日 9時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
★★ - やっばいおもしろいです!!!更新頑張ってください(´∀`) (2018年7月2日 15時) (レス) id: 5bde35895e (このIDを非表示/違反報告)
あほ毛100%(プロフ) - 純さん» ありがとうございます!大人しめの弱ツンデレが美味しいです(ヨダレ) 頑張らせて頂きます! (2018年6月24日 21時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あほ毛100% | 作成日時:2018年5月3日 19時