女医さん5 ページ6
遂にやってきたパーティー当日
一条は先日購ったドレスを身につける
中原が選んだ赤色のイブニングドレス
彼らが絶賛の声をあげて、少し恥ずかしかった記憶が蘇る
「もう十八時…」
首領より先に出向いておこうと、少し早めにパーティー会場へと向かうことにした
会場は其のホテルで最も大きい部屋だった
まるで舞踏場のような豪華な装飾がされている部屋
一条は息を呑む
「流石ポートマフィア…」
用意周到、という訳だ
きっと料理も絶品な物ばかりに違いない
一条の目がギラギラと光った
.
各々のマフィアの首領の挨拶が済んでから、料理が次々と運ばれて来た
参加者たちも自由に、面識のある者に挨拶をしに足を運ばせたり、料理に手を伸ばす者もいた
「あ、いたいた。おーいAちゃーん」
「…太宰幹部、こんばんは」
鮮やかな赤のイブニングドレスに身を包んだ一条の姿を太宰が捉えた
彼女の手には種類豊富な洋菓子がズラリと並んだ大皿を持っている
「一応念の為ですが、此の洋菓子は喩え幹部の貴方であろうとあげませんよ」
「大丈夫だよ、安心し給え
其れよりも今日は随分と調子が好いみたいだね」
あ、再開してもいいよ。と太宰は一条の食を促す
黙々と、然し嬉嬉として一条は洋菓子を頬張っていた
何時も澄ました顔をしているが、美味い料理となるとこんな緩んだ表情をするのか、と太宰は見つめ考えた
「…!」
苺の乗った洋菓子にフォークが刺し込まれる前に、彼女の手がピタリと止まった
「如何かしたかい?」
「いえ、…唯、少し違和感のある視線を感じまして」
顔を顰め乍らキョロキョロと辺りを見回す一条
側近時代のおかげなのか、彼女の第六感は月並み以上である
「まあ、之程背中の開いたドレスを着ていたら仕方が無いか」
「…太宰幹部には刺激が強過ぎますか?」
「其れ喧嘩売ってる?」
売ってません。そう一条は否定しようと思ったが、お腹に回された腕に引き寄せられ、小さく驚く声としかならなかった
するりと横腹にあった手が腰を撫でた
肩を揺らすと耳許でクスッと笑う声が聞こえてきた
「ねぇ…今夜襲うよ?」
ばっと顔を逸らす
「止めて下さい、変態」
「毒なんか吐いちゃって…
大丈夫だよ、此処は壁際だし誰も見てないし聞いてなっ!いったい!」
太宰は腕を抓まれ一条を解放した
(痛いよAちゃん)
(善かったですね)
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あほ毛100%(プロフ) - 五月雨花火さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると本当に有り難い限りです!m(_ _)m 更新頑張ります!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨花火(プロフ) - むっちゃこの作品好きです!更新頑張って下さい!!! (2018年8月17日 21時) (レス) id: 21ac55d013 (このIDを非表示/違反報告)
あほ毛100%(プロフ) - ★★さん» ありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです!!これからも頑張ります! (2018年7月4日 9時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
★★ - やっばいおもしろいです!!!更新頑張ってください(´∀`) (2018年7月2日 15時) (レス) id: 5bde35895e (このIDを非表示/違反報告)
あほ毛100%(プロフ) - 純さん» ありがとうございます!大人しめの弱ツンデレが美味しいです(ヨダレ) 頑張らせて頂きます! (2018年6月24日 21時) (レス) id: 04dbcb03e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あほ毛100% | 作成日時:2018年5月3日 19時