26 残酷�� ページ7
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「あのっ＿＿＿＿＿＿息子さんは、
巨人と応戦中に負傷して、意識不明の重体です。
本当に＿＿＿＿
そう言うと、ハウターの母親は崩れ落ち、大きな声を漏らしながら涙を流す。その声で周囲の注目もここに集まる。
ウィルは、掴まれていた腕の重みもなくなり棒立ち状態になる。
「すぐ目を冷ましますよね？
重傷って言っても、息子なら大丈夫ですよね？」
棒立ちのまま、拳を握りしめる。
「息子さんが、必ず目を覚ますとは言い切れません。
班長である、私の責任です。
申し訳ありませんッ」
じわじわと込み上げてくる涙を必死に抑えて、深々と頭を下げる。
その光景を見ていた人々が口々に何か言っているが聞き取れない。
自分の情けなさ、
申し訳なさ、
そして人々の鋭い視線に恐ろしくて顔を上げることができない。
すると、一帯に響き渡るシャーディスの声でこの場が静まり返る。
「何の成果も！！
得られませんでした！！」
顔を上げると、シャーディスが膝を着いている。何が起きたのか理解できなかったが、冷静に考えれば、シャーディスの言う通りだ。
こんなに犠牲者を出して、結局何も得られなかったんだ＿＿＿＿
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兵舎に着くとすぐに機動班の元へ向かった。
「なんとか全員生きてるぜー」
ウィルを見つけたアダムが陽気な声色で手を上げる。
班員達の傍へ駆け寄ると、ウィルは深く頭を下げた。
「ごめんなさいッ！
私のせいで、皆を危険な目に…」
「ウィル、よしてくれよ。
壁外調査なんて、誰もがいつ怪我してもいつ死んでもおかしくない事だろ？」
顔を上げるよう促しながらマーティは言う。
「でも…」
「反省なら後でしよーぜ、今は何も考えたくねぇ」
アダムは疲れたと言いながら、その場に寝転ぶ。自分は怪我して動けないからここで待機すると言う。
一方、ビサはその様子を見ながら力なく笑うだけで、いつもの明るさからは想像できない姿だった。
そして、ハウターも今だ目を覚ますことなく、やって来た救護班によって病院に搬送されることになった。
「ウィル」
ハウターを見送ると、隣に立つマーティに呼ばれる。
「ハウターは、肋骨開放骨折で内臓のダメージと出血量が酷いらしい。」
「そう…」
「アダムは、膝の靭帯断裂。
回復手術が必要らしいが、今まで通り動けるようになるかは…」
「うん、分かった。
マーティありがとう。」
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作者名：earthn | 作成日時：2022年3月24日 19時
