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モニターには幻が映っていた。


『……』

無言で鍵を開けると
ふわりと香るあの柔軟剤に
私は泣き崩れた、


「Aは、悪夢なんかじゃないよ。」


あの暖かいうざったい愛に包まれて、
降ってくる口付けの雨に身を委ねて、

このまま2人溶けて混ざり合うんだ、

離れていた1ヶ月を埋め尽くすように
一つ一つのパズルのピースをはめるように、



「家追い出してごめんね、」
「江口さんの所にいた。」
「ラジオ、聞いてた」
「そっか、」

ベットに転がりながら、
前のように二人、
他愛もない話をする幸せ。
穴を君で埋めたら次なんて見えない。
骨の髄まで蕩けるように、
2人を煮込んでずっと持っていこう。


「もう、離れないからね」
「いまさら?」

8→←6



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作者名:うみ | 作成日時:2020年8月3日 9時

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