今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:840 hit
小｜中｜大
3 ページ3
引っ越すならペット可のところで、
ゴールデンレトリバーを飼おう。
名前はどうしようか。
部屋はふたつにしようよ。
お金が溜まったら
縁側のある家を建てよう。
そうなったら三毛猫を飼おうか。
私は悪夢に取り憑かれている。
「こちら、佐伯さんのお宅でよろしいですか？」
「あ、そうです。」
「送り主は西山さんですね、」
「えっ、」
「えっ？」
いえ、と少し首を振って
ハンコを押すと、
配達員は青い帽子をきゅっと下げて
ありがとうございます、と
去っていった。
「……いま、さら」
届いた小さな箱は、
彼からの贈り物だった。
愛おしいはずの名前も、
何度も見た可愛らしい文字も、
今となってはただの夢で、
箱を開いたら
彼が私の中から居なくなる気がして
一度テーブルに置いて放置してみた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみ | 作成日時：2020年8月3日 9時
