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あの雲の上で
ぼんやり微笑むのは
記憶の片隅に箒でまとめたはずの
紛れもない初恋の人。
懐かしさにはいつも
君の柔軟剤が香る。
いつも私は振り返って探すけれど、
その反動で体はふわりと舞って、
真っ直ぐに落ちていく。
「……ヒィッ…」
投げ出された掛け布団と、
変に流れる汗と涙。
また同じ夢だ。
時刻は朝の5:37。
嫌に冷めてしまった目を擦り、
洗面所へ向かう。
私は悪夢に取り憑かれている。
顔を洗って鏡を見ると、
後ろに立っていたのはそう、
夢に出てきた君だ。
「……ッ」
喉がヒュッと鳴って、
後ろを振り向くと
開けた窓から流れてくる
春の日の風に揺れて
バスタオルがひらひら。
私は悪夢に取り憑かれている。
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作者名:うみ | 作成日時:2020年8月3日 9時