拾漆 ページ18
Aside
恵「原因が分かるって、なんだよ。」
《白蓮が落ち着いてから伏黒はそう問いかけた》
恵「風邪とか熱中症で、口から血なんか早々出るもんじゃねぇだろ。」
恵「さっきの訓練も、その前だって、様子が変だった。」
恵「何か隠してること、あんじゃねぇのか」
《沈黙の中には張り詰めた緊張感があった。伏黒は白蓮を真っ直ぐ見つめている。》
《白蓮は依然として、押し黙ったままだった。》
黒が困る
私が話すと、黒が困る
悪縷が出たら嫌
でも、原因が分かるって言った
隠し事はしちゃいけない
《白蓮は部屋の窓を見つめて心を整理した。そして一言だけ放った》
『黒、私、死んじゃうかも、しれない。』
《嘘などではない、紛れもない事実であり、白蓮にとっては言い難いことであった。》
《伏黒の瞳孔が小さくなった。驚きだけではなく、きっと絶望も含まれているのだろう。》
恵「な、死ぬって…どういうことだ、」
『…病気じゃ、ない。』
恵「じゃあ─
『呪い─……?』
《日常的な会話の様に、深刻さの面持ちもなく、不安を感じさせない声色で。自然に。》
恵「呪、い………?」
《一方の伏黒は状況を整理出来ずにいた。頭の中では理解出来ていてもその情報をどうしていいか分からずにいた。》
《姉も寝たきりで一向に目覚める傾向がなく、伏黒の家族と呼べる者は実質としてゼロに等しかった。だからこそ、呪いによって罪の無い人間が》
《善人が不幸になる事を望んではいなかった。》
『…大丈夫、自分で、できる。』
《伏黒を見つめ、安心してくれと訴え掛けた。》
恵「………何かあったら必ず俺の所に来い。理由はなんでもいいから。」
《伏黒はそう言って白蓮の部屋を後にした》
──────
恵「……んで、Aまで……っ」
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作者名:黒凛蝶 | 作成日時:2020年11月22日 0時