6話 ページ7
それからしのぶが後をつけてたらしく、後ろから声をかけられた。
しのぶ「もしもーし、大丈夫ですか？」
A「しのぶさん」
しのぶ「どうして本当に帰ってしまったのですか？」
A「用事とかなかったから」
しのぶ「私があるんですよ？それにどうしてこんな所にいるんですか？」
A「道に迷ったからだよ？」
しのぶ「自信満々に言われても…さぁ、帰りましょう」
しのぶは帰ろうと声をかけ、背を向けるが、Aはある事を聞いてみた。
A「しのぶさん、藤の花の毒、食べたりしてないよね？」
しのぶ「え？」
A「してないよね？」
しのぶ「してませんよ」
しのぶは表情を変えずに笑顔ではっきりと答えた。
A「私には嘘言わないで」
しのぶ「…どうしてそれを知ってるんですか？」
A「食べてるんだね？」
しのぶ「はい」
A「私には分からない、でも毒なんだよね？」
しのぶ「私は毒を扱う剣士です」
Aはしのぶの手を握りながら話しかける。
A「そんなこと知ってる、このままだと本当に死んじゃうよ…」
しのぶ「私は姉の仇の為に摂取してるんです」
A「確か…胡蝶カナエだっけ？」
しのぶ「そうです」
A「私も一緒に戦うから、死んで欲しくない」
しのぶが死んでしまう未来しか無かった為、まずは毒の摂取をやめて欲しかった。
しのぶ「貴方には関係ないことでしょう！」
A「関係なくない、この世界に生まれてきた以上、自分の命を粗末にしないで欲しい、私が言える立場じゃないけど」
しのぶ「貴方には私の気持ちが分かるわけ」
Aは遮るように声を大きくして話し始める。
A「分かるよ、その気持ち痛いほど分かるんだよ」
しのぶ「え」
A「私も両親を16の時に亡くした、だから分かるんだよ、残された側の方もきちんと考えてあげてよ」
しのぶ「でも私は鬼の頸が斬れないんです」
しのぶは目に涙を浮かべながら話し始めた。その涙を見たくなかったのか、しのぶをそのまま抱きしめた。
A「それでいい」
しのぶ「それでは仇が取れません…」
A「それでもいい」
しのぶ「姉さんを殺したあいつだけは…」
A「まずはしのぶさんが生きてないと」
しのぶ「仇は誰が取るんですか…」
A「皆で取ればいい、1人で背負わなくていい」
しのぶ「どうしてそこまで言うんですか」
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天霧(プロフ) - 大切な人だから悲しませたくない。だからあんな事を言って距離を置いた。確かに、夢主はこの世界の住人じゃないいずれ死んでしまう…。その事を分かっていても離れたくないしのぶさん…。辛いですね。早く寄りを戻して欲しいですね (2022年1月31日 16時) (
レス) @page40 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！ (2022年1月28日 12時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にーと。 | 作成日時：2021年12月19日 3時
