37話 ページ38
真っ白な世界にポツンと立っていた。あの時と同じだ。
カナエ「こんにちは」
A「こんにちは」
カナエ「まさか1人で倒すとは思ってなかったわ」
A「その方が確実だと思ったから」
カナエ「その腕、大丈夫？」
A「大丈夫だよ」
カナエ「どうして？」
A「え？」
カナエ「どうして大丈夫じゃないのに、大丈夫って言うの？」
A「心配させたくないからかな」
カナエ「逆にそれが心配だって言ったら？」
A「…」
カナエ「しのぶも花藤さんが運ばれてきた時からずっと心配して、夜寝れてないんですよ」
A「そっか」
カナエ「早く戻ってあげて」
A「カナエさん、心配かけてごめん、でもちゃんとしのぶさんのこと守るから」
カナエ「ありがとう」
夢から目覚めると、目の前にはいつもの天井が写った。右手に違和感があった為、目を向けるとしのぶが手を握りながらうたた寝していた。
A「しのぶさん…心配かけてごめんね」
Aはしのぶの左頬を触りながら謝った。
しのぶ「許しませんと言ったら？」
A「え？起きてたの？」
しのぶ「握っていた手を離されたら誰だって起きます」
A「そりゃそっか」
しのぶ「どうしてこんな真似したんですか？もしかしたら死んでたかもしれないんですよ？」
A「いや、死ななきゃいいかなって」
しのぶ「え？」
A「前にしのぶさん言ってたじゃん？死なないで下さいって、だから無茶はいいかなって、どうせしのぶさんが助けてくれるから」
しのぶ「私にも救える限度というものがありますよ」
A「まぁそうか、人間だし、失敗してなんぼの生き物だからね」
しのぶ「…もう無茶だけはしないで下さい」
A「しのぶさんのこと守れたらもう無茶しないよ」
しのぶ「…大事な人はもう失いたくないんです…」
Aは驚いた表情を見せ、ある事を話し出した。
A「私は死ぬよ」
しのぶ「え？」
A「私はこの世界の人間じゃない、分かってるでしょ？」
しのぶ「はい」
A「いずれ死なないと行けない」
しのぶ「嫌、絶対嫌です」
Aはその言葉を聞いて凄く嬉しかった。けど、自分がいるからしのぶのことを苦しめていたのかもしれない、このままだと、しのぶが幸せにならないと思い、ある事を口にする。
A「しのぶさん、やっぱりこの関係は終わりにしよう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天霧(プロフ) - 大切な人だから悲しませたくない。だからあんな事を言って距離を置いた。確かに、夢主はこの世界の住人じゃないいずれ死んでしまう…。その事を分かっていても離れたくないしのぶさん…。辛いですね。早く寄りを戻して欲しいですね (2022年1月31日 16時) (
レス) @page40 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！ (2022年1月28日 12時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にーと。 | 作成日時：2021年12月19日 3時
