16話 ページ17
しのぶ「如月さん」
名前を呼ばれたので振り向くとしのぶが立っていた。
A「あ、しのぶさん」
しのぶ「耳飾り、アオイから頂きました、ありがとうございます」
しのぶはお礼を言いながら隣に座った。
A「あぁ、全然いいよ、それに」
しのぶ「？」
A「店の中にあるより、似合う人がつけた方が耳飾りにとってもいいと思うから」
しのぶ「花藤さんは優しいんですね」
A「…普通だよ」
しのぶ「なんで直接渡してくれなかったんですか？」
A「何となく」
しのぶ「そうですか」
A「しのぶさんは好きな人とか大事な人とかいないの？」
しのぶ「…好きな人はいないですが、気になる人はいますよ」
A「それって、冨岡さん？」
しのぶ「え？」
A「ごめん、聞いちゃったんだ」
しのぶ「やっぱり居たんですね」
A「気づいてたの？」
しのぶ「はい、見た時には居なかったので気のせいかと思ったんです」
A「そっか、でも、しのぶさんが幸せならそれでいいと思うよ」
しのぶ「え？」
A「私はその幸せを手伝う事しか出来ない無能な人間だから」
しのぶ「そんなことないです」
A「自分の気持ちに嘘だけは付いちゃだめだよ」
しのぶ「…」
A「私はこの世界で役に立ちたい、幸せにしたい、前世は人に喜んでもらうこと、幸せな気持ちにさせることが夢だったからさ」
しのぶ「…」
A「だからこの世界で夢を叶えてから死にたいかな」
しのぶ「死にたいなんて言わないでください」
A「その死が何十年後か何年後か明日かもしれないし今日かもしれない、でも悔いが残らないようにしたい」
しのぶ「それは私も同じです」
しのぶはAの手を握り話し出す。
しのぶ「私は正直、冨岡さんに告白をされて嬉しいとも嫌とも思いませんでした」
A「うん」
しのぶ「ですが昨日、如月さんに言われた時はドキッとしました」
A「え？そうなの？表情全然読めないんだけど」
しのぶ「ふふっ、この気持ちが分かったらちゃんと返事します、それまで待ってください」
A「うん、でも私の事は考えなくていいからね」
しのぶ「どうしてですか？」
その場でずっと話しているのが辛くなったのか、草履を履きしのぶを背にして話す。
A「私はしのぶさんと会ってまだ1日ぐらい、他の人はしのぶさんの過去の事、お姉さんのことを知っていて、しのぶさんの苦労を知っている、だから…」
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天霧(プロフ) - 大切な人だから悲しませたくない。だからあんな事を言って距離を置いた。確かに、夢主はこの世界の住人じゃないいずれ死んでしまう…。その事を分かっていても離れたくないしのぶさん…。辛いですね。早く寄りを戻して欲しいですね (2022年1月31日 16時) (
レス) @page40 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！ (2022年1月28日 12時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にーと。 | 作成日時：2021年12月19日 3時
