14話 ページ15
A「ただいま」
玄関で小声で挨拶をするが、勿論返答は無い。買ったものをしのぶに早く渡したかった為、診察室に行くと中から話声が聞こえたが、しのぶの声ともう1人の声もした。耳をすまして聞いてみた。
しのぶ「冨岡さん、どうしたんですか？」
冨岡「…どうしたらいい」
しのぶ「何がですか？」
冨岡「…胡蝶が…どうしたら…」
しのぶ「冨岡さん、どうしてそんなに言葉が少ないんですか？」
冨岡「…」
しのぶ「だからみんなに嫌われてるんですよ」
A(今、絶対好きだって言う流れだったよね…)
冨岡「…俺は胡蝶が好きだ…」
A(…ですよねぇ)
しのぶ「何言ってるんですか？巫山戯てるんですか？」
冨岡「巫山戯てない、本気だ」
しのぶ「…少し考えさせて下さい」
冨岡「あぁ、待ってる」
冨岡が出てくると思い、Aはその場から逃げるように台所へ向かった。
A「…アオイさん、ごめんね遅くなって」
アオイ「いえいえ、大丈夫ですよ、何買われてたんですか？」
A「あぁ」
簪の入った袋をぐしゃぐしゃにして隠すようにポケットの中へしまう。
A「これなんだけど」
1つ、紙袋をアオイに渡す。中を開けると先程見ていた耳飾りが入っていた。
アオイ「え、これは」
A「ここの屋敷の皆とお揃いで買ってみたんだ」
アオイ「やっぱり蝶の模様が綺麗です…」
A「でしょ、みんなに似合うと思って、これしのぶさんに渡してくれる？」
アオイ「いいですよ」
A「ありがとう、それじゃ研石で研いでみよっか」
少しばかりしのぶと顔を合わせずらいと思い、耳飾りはアオイに渡してもらうことにした。研石での包丁の研ぎ方を分かりやすく教えた。アオイの呑み混み具合が早く、1時間も経たないうちに教えられた。
A「水で流しながらやった方がいいよ」
アオイ「水量とかは？」
A「少しでいいよ」
アオイ「わかりました！」
A「大事に使ってね」
アオイ「勿論です」
それからAはカナヲやきよ、すみ、なほの所へ行き、お揃いの耳飾りを渡した。縁側でボーッとしていると後ろから声をかけられた。
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天霧(プロフ) - 大切な人だから悲しませたくない。だからあんな事を言って距離を置いた。確かに、夢主はこの世界の住人じゃないいずれ死んでしまう…。その事を分かっていても離れたくないしのぶさん…。辛いですね。早く寄りを戻して欲しいですね (2022年1月31日 16時) (
レス) @page40 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 続きがとても気になります。次の更新待ってます！ (2022年1月28日 12時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にーと。 | 作成日時：2021年12月19日 3時
