▽Story 9 : Sunday ページ24
Day14
今日はゾムさんと猫用品を買いに出掛ける。
待ち合わせ場所は家の近くのコンビニで、ゾムさんが車で迎えに来てくれるらしい。
コンビニの外で音楽を聴きながら待っていると、シルバーの車が目の前の駐車スペースに止まった。
フロントガラスからゾムさんが手を振っていて、それを見て助手席のドアを開けた。
「じゃ、行きますか」
「はい！」
ゾムさんの車の助手席なんて、ちょっとドキドキする。
上司の車と違って、少し良い匂いもしているし。
上司の車が臭いとは言ってないけど！
「ペット用品が売ってるところなんてこの辺にあるんですか？」
「うん、ちょっと遠いけど○○市の方にある」
「そこならゾムさんの家から行った方が近かったじゃないですか！」
「車で行けるならええやろ？電車やとAに無駄な金使わせるやん」
「まぁ……そうですけど…」
会話が途切れて、車内が静かになる。
横目でゾムさんを見ると、運転している姿が様になっていてかっこよかった。
…ゾムさんに似合う女性ってどんな人だろう。
髪が長くて、ゆるく巻いたりなんかして。ふわっとしたシルエットの服を着て、スタイルも良くて、ゾムさんみたいに色白で綺麗な人が良いかもしれない。
私は背も小さいし髪も長くないし、スカートは履くけどふわふわ系は微妙だなぁ…
「なんか視線感じるねんけど」
「あっ、」
「見惚れてたんやろ」
「そんなんじゃないです！」
「冗談やって。言ってて俺が恥ずいわ！」
ゾムさんが特徴的な笑い方で楽しそうに私の方をちらりと見る。
私も一緒になって笑って、なんかこういうの良いなぁと思った。
「ほんまにAと居ると楽しいわ」
「本当ですか？嬉しいです」
「これからも───や、なんでもない」
「え？」
「もうすぐ着くで」
ゾムさんが言いかけた言葉は曖昧にされたまま。
私も問いただそうとはせず、目的の場所に着いた。
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