百二十二話 ページ41
「おい井伊!開けろ!」
「開けろって!」
『井伊くん‼︎お願い!開けて!』
ホールの外から必死に呼びかけるが返事が返ってくることは無かった。無慈悲にも過ぎていく時間に私たちも焦り始める
「、このままではホントに負けてしまいます」
「全員どけ〜っ‼︎井伊…テメェを信じて俺は…酒井は榊原は…!」
ジリジリと後ろへ下がっていく本多くんの気迫に頬が引き攣る。
『な、何するつもり…?』
「タックルだ」
「アナログとな⁉︎」
驚く私たちを置いて本多くんは唸り声をあげてドアへ向かって走り出した。その姿はまるで猪。
この勢いと威力…きっとドアは壊れるはずだ!と固唾を飲んで見守っていたその時、固く閉ざされていたドアが開いた
急ブレーキで何とか止まった本多くんの前には音楽ホールを立ち入れないようにした本人、井伊くんが立っていた
「井伊、自分が何をしているか分かってんのか?」
「みんな…すまん!」
井伊くんはいつかの黒田くんのように床に膝と手をついた
「俺は、裏切り者の1人だ。」
『あ、だ、伊達くん』
名前を呼んだ彼は、膝をつく井伊くんの首元を掴み上げた
伊達くんはもう裏切り者絶対殺すマンになってしまっている。
「やめろ貴様。」
「信長くん…」
『めちゃくちゃ電話したのに!』
「井伊の話を聞いてやってくれ」
音楽ホールの奥から現れた信長くんの声にその場に居た全員が井伊くんに注目する
「こいつは…信長は、最後まで自分の手で扉を開けようとしなかった。待っててくれたんだよ。俺の考えが変わるのを」
「井伊…」
「俺に人を束ねる才があるかどうか。それはまだ分からん。だから…共に戦う仲間を、信じるだけだ」
「信じたもん勝ち…だったか?」
「信長くん…」
「Aも、貴様の言う通り…糖分を摂取して考えた。もう当分要らないぐらいにな」
『うわ、ここでダジャレ?』
変わらない信長くんの言葉に変な緊張は消え、自然と安堵の笑みが溢れた
「聞いちゃいられねぇぜ!」
良い雰囲気の中、聞こえてきた今川くんの声。後ろを振り返ると真田くんと2人並んで沢山の一般生徒を引き連れてコチラへ向かってきていた
「今川⁉︎真田⁉︎」
「何だよそいつら」
「お前達の負けはもう決まってんだよ!」
「A、みやび。下がってろ」
信長くんの言葉に頷き、みやびちゃんの手を握る
「こいつら全員、家康派‼︎」
狭い廊下には真田くんを筆頭としたイエ〜!ヤ〜ス！と謎の家康コールが響き渡った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 887人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オタくん♀(プロフ) - 完結､､､だと､､､そんなーーー‼︎(T ^ T) (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - …ん？お、終わり…だと？嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2023年1月2日 22時) (レス) @page44 id: 940717e19b (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 何度も見ています！何度見ても面白いし胸がキュンキュンしちゃうぐらい大好きです!更新頑張って下さい！ずっと待ってます！😄 (2022年11月21日 22時) (レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
真子ちゃん(プロフ) - 待ってます (2022年11月14日 15時) (レス) id: 955c1a3158 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 何度見ても面白いです😍更新頑張ってください！！待ってます！！ (2022年11月9日 23時) (レス) @page44 id: c191c4b3ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：間取り | 作成日時：2022年9月10日 14時
