百五話 ページ24
声を張り上げた加藤にクラス中の視線が集まった。気絶していた上杉も何とか意識を戻して弱々しく彼を見ていた
「信長にAば取らるるて思うなら大人しゅう黙っとらんで、奪い返すぐらいん気合いで行け！」
「それが、惚れた男の行動くさ‼︎」
ドドンッと言い切った加藤にみやびは思わず拍手をしかけてしまった。何という漢気…これが加藤清正。
動画を撮ってAに送りたくなるほどの熱い言葉にみやびだけでなく、落ち込んでいたクラスメイトも再び闘志を燃やし始めていた
「…せや、信長1人に美味しい思いなんてさせるかっちゅう話や‼︎」
「僕も…どうかしていたみたいだ。すぐにAちゃんの元へ行かなければ」
「あ、おい上杉、起きて大丈夫なのかよ」
「あぁ。長い瞑想のおかげでAちゃんの事をよく考えれた」
「いや気絶して夢見てただけだろ」
何事もなかったかのように爽やかに笑う上杉に榊原は少し呆れながら呟いた
いつの間にかクラスの雰囲気も元に戻ったようでみやびは少し安心したが、信長とAの空気を壊されるのではないかと内心少し焦っていた
だが…まぁ、良いか。とバタバタ教室を出ていく男達を視線で追いながらみやびも廊下へ出て廊下の椅子に座る黒田に向き合った
「…良いのか?Aの方は行かなくても」
「それは…勿論行きたいです。ですが…今は黒田くんに聞かなければならないことがあります」
「ほう、聞かなければならない事…か」
きっと何か勘付いている黒田にみやびは眉を顰めた
「此処では少し話しづらいので…昼休み、美術室に来てください」
「やけに警戒してるな…その提案、拒否は出来るのか?」
「出来ません」
そう言い切ったみやびに黒田は肩をすくめて頷いた
一方その頃Aと信長は…
「ではA、"藁は好きか?"」
『…あっ!分かった‼︎何それ"笑わす気か"!』
「おぉ〜貴様やるな」
2人並んでダジャレを言い合ったり新作のダジャレを考えたり…とみやびが想像するような甘い空気はどこにも無かった
『じゃあ次は…"うつけ"で』
「それは簡単だ。"うつけの食う漬物"」
『既に持ちネタだった…』
得意気に笑う信長にAも笑っているとバタバタと複数の足音と共にクラスメイト達が現れた
「おったで〜‼︎」
「取られたなら奪い返す…!」
「Aちゃん‼︎」
「信長、お前のいいとこ取りで終わらせねぇぞ‼︎」
「"想像"したより"騒々"しいな」
『お、シンプルで良いね』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 887人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オタくん♀(プロフ) - 完結､､､だと､､､そんなーーー‼︎(T ^ T) (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - …ん？お、終わり…だと？嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2023年1月2日 22時) (レス) @page44 id: 940717e19b (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 何度も見ています！何度見ても面白いし胸がキュンキュンしちゃうぐらい大好きです!更新頑張って下さい！ずっと待ってます！😄 (2022年11月21日 22時) (レス) id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
真子ちゃん(プロフ) - 待ってます (2022年11月14日 15時) (レス) id: 955c1a3158 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 何度見ても面白いです😍更新頑張ってください！！待ってます！！ (2022年11月9日 23時) (レス) @page44 id: c191c4b3ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：間取り | 作成日時：2022年9月10日 14時
