十九話 ページ20
『あえ、…武田くんの観戦は?』
「未だ籠城中だよ」
「たくっ、どっかの誰かさんがアホな事をしたからな」
足取りのおぼつかない私を支えながら上杉くんは優しく笑いかけ、井伊くんは頭を掻きながら横目で私を見ていたが、耳鳴りのせいでほとんど聞こえない
前を歩く豊臣くんの話も、してやったりな顔をして私に話しかけてくる黒田くんの声もよく聞こえない
「ほんまAちゃんが殴られて倒れた時はヒヤヒヤしたわ」
「ふっ、まぁ平手打ちも頭突きも、考えなしの行動にしては良いものだったんじゃないか?」
「そんなこと言うて、黒田も走り回っとった癖に」
「おまっ、本当にそう言うところが一人っ子丸出しなんだよ‼︎」
楽しそうに笑う豊臣くんが私に聞いてきているが所々しか聞き取れない
「…A?」
『ごぇ、ん…聞こえずあぃ…』
「…マズイな、脳震盪か。」
前田の呼びかけにも反応せず、目の前で心配そうに見つめる豊臣に呂律の回らない返事をするAを見て黒田は眉を顰めた
「行き先変更だ。教室ではなく保健室へ」
「分かっ…」
『おぁっ』
「俺が連れていく」
黒田の指示に上杉が頷くよりも先にAの体が前田に抱き上げられ、ツカツカと保健室へ向かって行った
「な、なんやねんアイツ…」
「いいとこ取りにも程があるだろ」
前田はAを連れて保健室に着き、艶本に事情を説明すると、艶本は驚きAをすぐに寝かせるように指示した。
優しく揺らさないようにゆっくりとベットに寝かせた後、乱れた髪を手櫛で整えるとそのまま手をAの輪郭に沿わせ、切れている口元の血を優しく拭った
何を言うわけではないがAを見つめる前田の瞳を見て艶本は笑みを深めた
「アナタも…恋、知っちゃったのネ」
「…は?」
艶本の言葉に訝しげな顔をする前田だったが保健室を追い出されて大人しく教室へ戻った
教室に入った時に沢山の視線と質問が前田を襲ったが詳しい事は言わずのらりくらりと躱していったがコスプレから制服へ着替えた伊達は状況が飲み込めていなかった
「…Aはどうした」
「軽い脳震盪起こして保健室行き」
「脳、震盪…?」
「今行っても寝てるだけやで」
伊達は入ってきたばかりの教室から保健室へ向かおうと素早く方向転換したが豊臣の言葉に足を止めた
それと同時にスクリーンに映っていた籠城中のトイレのドアが破壊されたのは旗印戦開始から１時間40分経ってかからだった
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間取り(プロフ) - 名無しさん» お優しい御心遣いとても嬉しいです…。こえ様へ連絡させていただき、文章の訂正をして頂けましたので名無し様もご確認いただけたらなと思います。間取りは名無し様の為にこれからも更新を頑張りますのでまた何かあればご報告をお願いいたします☺️🙏 (2022年9月22日 23時) (
レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 書き上げる→書き上げられる、ですね。誤字、失礼いたしました。シリーズにつきましては是非ご自分のペースで作品の更新をして貰えれば嬉しいと考えています。これからも応援しています。いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» 勝手ながらご報告することにしました。確かに心配はしましたが、私としては間取りさんがのびのびと素敵な文章を書きあげるように過ごして下されば、それで満足ですので、どうかお気になさらないで下さい。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» ご確認して頂きありがとうございます。間取りさんの｢どうしようもなく君が好き｣シリーズは、しんしんの二次創作の中でとてもお気に入りで、いつも楽しませて貰っている分、間取りさんの知らない所でその素敵な文章が勝手に使われていることに悲しくなってしまったので (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
間取り(プロフ) - 名無しさん» ご報告ありがとうございます!今、該当作品を確認させていただいたんですが確かに私の作品と似ている所が多々見受けられたので一度作者さんとお話しさせていただこうかなと思います。せっかく楽しんで読んでいただいているのにご心配かけて大変申し訳ないです…😭 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：間取り | 作成日時：2022年8月7日 1時
