四十話 ページ41
気を良くした信長くんから干し柿を貰い、一口齧ると滑らかな食感とほのかな甘みに目を見張る
これは信長くんもずっと食べてるわ…おいし…
『干し柿って初めて食べたけど超おいしいね』
「ええ、甘いです」
私たちの反応に笑みを浮かべて信長くんは再び歩き出した
もう一口、もう一口と齧って癖になる甘さを堪能していると廊下からホールを見下ろしている黒田くんが現れた
『黒田くん何してんの』
私が声をかけると黒田くんは平然とした顔でゆっくりとコチラに振り返った
「…貴様だろ?」
「ん?何が?」
「加藤に旗印を出させるように仕向けたのは」
「黒田くんが?」
『いつかはやると思ってたけど…』
頭のキレる彼が"何を考えてどう行動するのか"それ全てを理解するのは絶対に無理だが…逆になんか変な事をしても彼ならあり得そうと思えるのだ
頭がいい人の特権というものなのか主導権を握ればトンチキな行動を取っても責められない。私はいつだったか黒田くん達とやった心理戦ゲームを思い出していた
「秀吉にはまぎれもなく才能がある。人たらしの才能だ。どうせ戦うなら…覚醒した秀吉と対峙したいじゃないか」
「だからあえて秀吉くんに困難を与えた…」
「…みんな敵だからなぁ。もちろん、お前も」
「うつけが…」
豊臣くんに期待しているような話し方から一変、信長くんを見据える黒田くんの目は少し冷たさを感じた
少しピリピリしている中、聴き慣れた校内放送のチャイムが鳴り響いた
『こんな時間から…?』
「皆さん、ただ今公認旗印が出ました。旗印提出は特進クラスの徳川家康くん。」
「家康くん⁉︎」
も、もしや相手は私だろうか…あの時に私が付けてしまった服のシワがやはり許せなかった?それともお饅頭なんて徳川くんにとっては舐め腐ったお返しだった?
思い当たる節がありすぎて黙って放送の続きを待つ
「家康くんが出した旗印はコチラです。」
「《3分以内に武田信玄を倒す》」
放送から聞こえた徳川くんの声に反射的に顔を上げるとみやびちゃんと目があった
「それでは旗印戦、開始」
やめてくれと願っても、開始を告げるほら貝の音は無情にも止まる事はなかった
『た、武田くん…どうしよう、』
「ここで焦っても仕方がない。ひとまず教室へ行くぞ」
バクバクと大きく跳ねる心臓を落ち着かせるよう背中を一定のリズムで優しく叩いてくれる黒田くんの言葉に頷いて私達は廊下を駆け出した
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間取り(プロフ) - 名無しさん» お優しい御心遣いとても嬉しいです…。こえ様へ連絡させていただき、文章の訂正をして頂けましたので名無し様もご確認いただけたらなと思います。間取りは名無し様の為にこれからも更新を頑張りますのでまた何かあればご報告をお願いいたします☺️🙏 (2022年9月22日 23時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 書き上げる→書き上げられる、ですね。誤字、失礼いたしました。シリーズにつきましては是非ご自分のペースで作品の更新をして貰えれば嬉しいと考えています。これからも応援しています。いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» 勝手ながらご報告することにしました。確かに心配はしましたが、私としては間取りさんがのびのびと素敵な文章を書きあげるように過ごして下されば、それで満足ですので、どうかお気になさらないで下さい。 (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 間取りさん» ご確認して頂きありがとうございます。間取りさんの「どうしようもなく君が好き」シリーズは、しんしんの二次創作の中でとてもお気に入りで、いつも楽しませて貰っている分、間取りさんの知らない所でその素敵な文章が勝手に使われていることに悲しくなってしまったので (2022年9月19日 23時) (レス) id: 20a38a5636 (このIDを非表示/違反報告)
間取り(プロフ) - 名無しさん» ご報告ありがとうございます!今、該当作品を確認させていただいたんですが確かに私の作品と似ている所が多々見受けられたので一度作者さんとお話しさせていただこうかなと思います。せっかく楽しんで読んでいただいているのにご心配かけて大変申し訳ないです…😭 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 35a743c5e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:間取り | 作成日時:2022年8月7日 1時