恨みの対象 ページ4
ガチャッ
「あ、また扉が開いた」
「え?子供…?」
「あなたも誰がに連れて来られたの?」
??ここどこ。
『ぼっちゃま!聞かれてますよ!』
片耳のイヤホンからピアスが声をかけてくる。
ぼーっとしている僕が怪しまれるのを防ぐためだそうだ。
ピアスは僕がなぜこの"ゲーム"に参加しているのかを知っている。
その上で僕に協力している。
…頼んでないのに。
「ねぇ、君…大丈夫?」
「え?」
『ぼっちゃま!あなたも誰かに連れてこられたのですか?って聞かれてますよ!』
「あ、はい…いつの間にかここにいました」
「や、やっぱり…」
「ねぇ君、大丈夫?なんだかぼーっとしてるよ♪」
「?」
…この人は、誰だろう。
「だ、大丈夫?なんか顔色悪い気がするで?」
…?この人、
「似てる…」
「え…」
ガチャッ
その時、扉が開いた。
「あ!やっと来たで!」
「こ、これで最後の扉が開きましたね」
出てきたのは、二十歳ほど童顔の青年。
「あなたも誰かに連れてこられたの?」
「は…はい、あの、これは…?」
「全員で13人…全く同じ状況ということだな…」
「えっと、一体どういうことですか?」
「だからー、ワタシ達にもわからないんだって」
「(こ…子供まで!?)」
『ブフッ』
「…"ハルノ"うるさい」
ちなみに小声で会話だ。
「みんな気がついたらここに連れてこられてたんだ♪」
「そ、そうなんですね…」
『え、えっとみなさん』
戸惑いつつも状況を整理していく中、唐突に不気味な声が部屋に響く。
『狼ゲームへようこそ!』
…始まったか。
この中の誰かが発したわけでもない声はどもりつつも指示を出し始めた。
『は、早く、それぞれの名前が書かれたイスに座ってください!』
しかしそこから動くものは誰一人としていない。
誰も指示に従うつもりなどないようだ。
『ぼっちゃまの席はあそこみたいですね』
「…うん」
『ちょ、ちょっとみなさん!言うこと聞いてください!』
「いいから早くここから出せ!俺は警察だぞ!」
『警察だろうとここから出すわけにはいきません!』
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作者名:とp | 作成日時:2022年12月26日 8時