しあわせな物語【七つの大罪】弐

色欲の罪 ページ5

「みんな来てくれー！！騎士様が一人、山から降りてきなすった！！」


「ひどいケガだ…！！」


ある村人の声に、みんな一斉にそっちへ向かう。


Aは遠目からその人物を冷静に見ていた。


たぶんもう助からないな、と。


「しっかりしてくだせぇ！」


「いったい山で何が！？」


「騎士…団は…全滅…〈暁闇の咆哮(ドーン・アロー)〉様たち…が…応戦して…いる……“鎧
鎧巨人(アーマー・ジャイアント)”…あの鎧の化け物…倒せるわけが…ない…あ…やめろ！！く、くるな……鎧の化け物がぁぁぁああ…！！」


駆けつけた医者が、静かに首を横に振った。


Aが早足で帽子亭の方へ足を進める。


そんなAにキングやバンが声ををかけるが、それを無視して駆け足で帽子亭へ入る。


「……やっぱりな」


A帽子亭の中へ入り、壁に貼ってある手配書を見て静かに言葉をもらした。


そこにメリオダス達も来る。


Aは三人の方へ振り向き、壁に貼られたある手配書を指差した。


「はっ…、まさか…！」


キングの言葉にAが頷く。


「鎧の巨人……こいつのことやね」


「ああ、奴に間違いねぇ〈色欲の罪(ゴート・シン)〉ゴウセル」

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