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気難しい幼女 ページ21

「(にしてもこんなことになるやなんて…………)」


ハルオは一人気まずそうに前方を進むAを見ていた。


Aは自身の魔力で蘇った。


ここまではいい。


だが死後数時間経った後の蘇生だったこともあり、唯一死んでいなかった細胞から作り出した身体は幼児サイズとなってしまったのだ。


そしてその関係で“記憶”まで昔に戻ってしまった。


ハッキリ言って今のAは扱いづらい冷酷な天才でしかないのだ。


「(こんなん無理やって〜)」


記憶を失っていたせいで起きた直後のAに胸ぐらを掴まれ、絶対零度の瞳で見下された。


心配になって案内役兼従者のような立ち位置で旅に同行することにしたが、正直自分も無礼を働けばいつ殺されるかわからない状態だ。


ハルオは内心びくびくしながらAの旅に同行していた。


ピラッ


「ん?」


頭上に大きな影が高速で通り過ぎる。


その数秒後にヒラヒラと降ってきた(ビラ)を、Aとハルオはそれぞれ同時にキャッチした。


「………?“近日バイゼルにて大喧嘩祭り開催、尚、優勝者にはいかなる望みも叶える権利を与える”?」


「いかなる望み………」


ハルオは嫌な予感がして、カクカクと紙から顔を上げ、Aを見る。


Aは幼女とは思えない、見ただけで殺されそうな目をしながら紙をばら撒く魔神を見ていた。


『ギァッ』


一瞬にしてAが消える。


数メートル先で魔神の胴と首を平然と切り分け、血の一滴もかからずに涼しい顔をしていたAは、反して魔神の鮮血で染まっている紙の上でハルオの方に振り返った。


「ひっ」


「…………行こか、喧嘩祭り」


「え?で、でも………主催者は十戒やで?」


「おー……………ま、ええやないか」


「ち、ちなみに………何を頼むつもりなん?優勝したら………」


ハルオが控えめにそう聞くと、Aはおぞましい笑みを浮かべて言った。


「十戒全員の自決…………とか?」


流石にハルオも泣いた。

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qichi(プロフ) - とpさん» なるほど、未定ですか…😭はい!続き気長に待ってます🙏お返事ありがとうございました〜!!😭 (4月19日 18時) (レス) id: 4c2c43e5f0 (このIDを非表示/違反報告)
とp(プロフ) - qichiさん» コメントありがとうございます!そうですね、実はこれ漫画見ながら書いていたので、次いつ漫画を買うのかわからないので完全に続きは未定です。すいません。もし続きを書いたら読んでくださるとありがたいです! (4月19日 5時) (レス) id: 60e902b523 (このIDを非表示/違反報告)
qichi(プロフ) - 初コメ失礼します…!こちらの作品、とっても面白かったです!!一気読みしちゃいました…もう更新は無い方向ですかね…?😭 (4月19日 1時) (レス) @page26 id: 4c2c43e5f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とp | 作成日時:2023年11月23日 10時

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