しあわせな物語【七つの大罪】弐

予知者 ページ17

「よいか…！！お前は儂の大事な友人の一人なのだ」


「……！！陛下…あ…ありがたきお言葉……！！ならばこそ私はあなたのために！！」


「やめるのだスレイダー！！」


「おおおぉっ！！！」


「………はぁ、馬鹿な男やのぉ………ロー！」


『バフッ』


Aが再びローを呼ぶ。


するとA少し大きくなったローに食べられた。


「！？A！？」


そして斬撃を繰り出すスレイダーの前に異空間のようなものが幾つも現れる。


「！？」


驚いてスレイダーが手を止めると、一つの異空間が大きくなり、中からAとローが出てきた。


「ほんまアホな男やのぉ……ま、はじめましてや」


「は、はぁ………」


毒気を抜かれた様に、スレイダーは武器を下げた。


『バフッ』ﾎﾟﾌｯﾎﾟﾌｯ


「ん？なんやロー」


口を閉じたローがAに頭をぶつける。


Aはローの頭を撫でつつ口を見ると、笑顔で言った。


「その斬撃はあの女にでも送っといてぇや！あーしとアホ男からの殺意のこもったハッピーギフトや♡」


『バフ………』


そう言われたローは呆れつつ斬撃を呑み込み、転送したのだった。


「あ、あなた一体………」


スレイダーが困惑したように聞く。


Aはローを撫でつつ言った。


「語り手(予知者)や」

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