【ヒプマイ】森で拾った緘黙少年【男主】

#38 ページ40

銃兎 side








理鶯｢あ｣









｢っ！｣









理鶯｢あ｣









｢っ！！｣









銃兎｢…やり方を変えてみましょうか｣









先程から口を大きく開けて向かい合っている理鶯とセイ









正直、喋ることを知らないというのには驚いた









だが、それなら声の出し方を教えることが出来るのではないか？









と思ったのだがなかなか難しい様だ









理鶯｢どうすればよいだろうか…｣









銃兎｢そうですね…喉を開けることを意識してみたらどうでしょう｣









そう言うと、セイは少し上を向き頑張って口を開けていた









銃兎｢あんまり無理はしないでくださいね。おぇってなっちゃいますから｣









理鶯｢そのまま腹に一瞬力を入れられるか？？｣









腹式呼吸…なるほど……









セイはそれを何回か繰り返した









すると、









｢…ぁあ｣









銃兎｢おぉ！｣









理鶯｢…っ！！｣









微かに声が出た、小さかったが確かに聞こえた









が、しかし









｢ヒュッ｣









理鶯｢っ！！セイっ！！！｣









急に左肩を抑えながら座り込んでしまった









確か左肩には火傷の後があったはず









上手く呼吸が出来ていないセイを理鶯が背中をさすろうと手を伸ばすが、その手すら振り払った









両手で左肩を抑えながら、涙目で、苦しそうに呼吸をしながら、ただただ理鶯を見つめていた

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