心の臓 ページ47
オオ「ヤチホコ！」
オオクニヌシが名前を呼ぶものの、狼の姿はすぐに深い森の中に消え入ってしまう。
オオ「……」
蘭丸「大丈夫ですか！すぐに手当てを」
蘭丸はオオクニヌシの傍らに膝を突くと、手際よく手当てを始める。
オオ「すまない」
晋作「……こっちこそ」
綱吉「あの狼は、いったい……？」
ヤチホコが消え去った方向を見つめ、そう尋ねる綱吉。視線を遠くに向けるオオクニヌシの代わりに、ヤタガラスが説明を始める。
ヤタ「先程、薄紅色の花をつけた木があったでショウ？あの木は沙紗羅の木と言うのですガ……ヤチホコは、沙紗羅の木を守る神獣なんデス」
太子「守り神のようなものか」
蘭丸「それなら、何故襲いかかってきたりするのですか？」
手当てをしながら蘭丸が口を開く。
オオ「私の知っているヤチホコは、あのようなことは決してしない。あの傷……もしや……」
オオクニヌシはそう言って眉根を寄せる。真剣なその眼差しに、イナバが言葉を呑み込むのが分かった。
オオ「……このままでは……」
？？「オオクニヌシ様！」
オオクニヌシが小さく呟くと、数人の声と共に前方の茂みが大きく揺れる。蘭丸たちが視線を向けると、武器を手にした民が此方に向かって来るのが見えた。
蘭丸「？あの者達は……」
綱吉「なんだか穏やかじゃないな」
オオ「そなた達……いったい、何の騒ぎだ」
蘭丸からの手当てを終え、オオクニヌシは民の前に進み出る。君主の姿を目にした天の国の民たちは、武器を手放さないままその場に立ち止まった。
民1「オオクニヌシ様！ヤチホコ様の心の臓を手に入れるのです！」
オオ「……！」
民2「ヤチホコ様の心の臓が、式神を遠ざけるのです！」
晋作「心臓がなんだって？」
オオ「何を言っているのだ……」
オオクニヌシは息を呑み、呟く。彼の言葉に応えるように、民の一人が興奮した様子で声を上げた。
民1「式神が現れてから、獣も植物も襲われ……このままでは生き物が死に絶えてしまいます」
民3「しかし、これだけ式神が現れていながら、ヤチホコ様は襲われていないのです！」
民2「ヤチホコ様の心の臓が手に入れば、式神から身を守ることができます！」
漱石「ヤチホコってあの狼のことだよね？さっき怪我をしていたのは……」
蘭丸「民が襲ったということですか？」
蘭丸の言葉にオオクニヌシは悲しそうに眉を潜め、瞬きをする。
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白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» ご期待に沿えるものかは分かりませんが……( ；∀；)お納めください！ (2017年12月27日 16時) (
レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» ありがとうございます！待ってました！ (2017年12月27日 15時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» 分かるっ！めっちゃ見たい！確信犯物吉くん！なるべく早めにお願いします！←(図々しい) (2017年12月25日 20時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» あと、先日は勝手にパスワードを掛けてしまい申し訳ありませんでした(´；ω；`)こんな奴の作品ですが、よろしければこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» コメントありがとうございます！それ、滅茶苦茶見たい展開です。いつか番外編で実現させます！確信した上で巫女様に抱きつき、晴明さんたちに爽やかな笑顔を向けてほしい。 (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白兎優 | 作成日時：2017年11月22日 16時
