海を司る者 ページ43
「違う……晴明じゃ、ない」
蘭丸「え……？」
「誰ですか。貴方は」
Aは鋭い視線で晴明を睨み付け、今朝出来たばかりの札を取り出す。未だ続く地鳴りの中で晴明でない別の誰かは、初めてAをその瞳に映した。
晴明(？)「太陽の巫女……ただの娘ではないようだな」
「そんなことはどうでも良いです。質問に答えてください」
晴明(？)「はっはは。そう急かすな」
低い声で呟くAを見て、どこか楽しそうに表情を歪める。
晴明(？)「我の名は……スサノオノミコト。海を司り、闇を生み出す者」
綱吉「スサノオノ、ミコト……！？」
「……！」
スサノオノミコト。
そう名乗った人物は、Aたちを見下ろして愉快そうに目を細めた。
ヤタ「何故アナタが……！海の巫覡にはツクヨミ様の加護を与えたのニ……！」
スサ「アマツカミの使い……それに、ツクヨミの子……」
イナバ「……っ」
羽を震わせるヤタガラスと、怯えたように首の石を握り締めるイナバ。
ヤタ「言エ！どうやってその男を操っタ！！」
スサ「昔から気が短いな。それだから民たちに気味悪がられるのだ」
目を見開くヤタガラスを見て意地悪く笑うと、パチンと指を鳴らす。すると彼の前を漆黒の闇が覆い、そこから淡く光る何かが現れた。
ヤタ「……！それハ……！」
スサ「詰めが甘かったな、ヤタガラス。堕ちた我にはこんな弱々しい光を手中に入れることなど、赤子の手を捻るよりも簡単よ」
イナバ「嘘だろ……。ツクヨミ様……！」
スサ「残念だったな、人間たちよ。お前達が待ち望んでいた太陽は永遠に昇らない」
晋作「何なんだよ……。何が起こってんだよ！！」
一際大きな地鳴りが響き渡ると共に、辺り一面を漆黒の闇が覆う。晴明の姿をしたスサノオノミコトの周囲を、禍々しい闇が取り囲んでいく。
晋作「……どう、なってんだよ」
スサ「………」
晋作「おい………晴明！！」
晋作の伸ばした手が虚空を掴む。その手も、その声も、スサノオノミコトにも晴明にも届くことはなかった。初めからそこに居なかったように、晴明の姿が闇に紛れていく。
「晴、明………」
激しく吹き付けた風に目を細めるが、大切なあの人の姿は地鳴りと共に消えていく。闇が消え去り、風が止んだ儀式台には、どこまでも不釣り合いな美しい茜色の空があった……。
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白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» ご期待に沿えるものかは分かりませんが……( ；∀；)お納めください！ (2017年12月27日 16時) (
レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» ありがとうございます！待ってました！ (2017年12月27日 15時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» 分かるっ！めっちゃ見たい！確信犯物吉くん！なるべく早めにお願いします！←(図々しい) (2017年12月25日 20時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» あと、先日は勝手にパスワードを掛けてしまい申し訳ありませんでした(´；ω；`)こんな奴の作品ですが、よろしければこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» コメントありがとうございます！それ、滅茶苦茶見たい展開です。いつか番外編で実現させます！確信した上で巫女様に抱きつき、晴明さんたちに爽やかな笑顔を向けてほしい。 (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白兎優 | 作成日時：2017年11月22日 16時
