約束 ページ40
晴明「何か勘違いをされているようですね」
「え……？」
晴明の言葉にAは首を傾げる。彼女の両頬を優しく包み込むと、口元に柔らかな弧を描いて微笑んだ。
晴明「貴女は元の世界には帰りません。この日ノ許で、私と一緒に暮らすんですよ？」←
「……はい？」←
当然のようにそう言う晴明に、Aは目を丸くする。
「えっと……？」
晴明「ずっと側にいると言ったじゃないですか。この命が続く限り……」←
「あ、あれは言葉のあやでは……？」
晴明「何を言っているんですか。そんなわけないでしょう」←
今まで思っていた事実が想像以上であったことに気づかされ、動揺を隠しきれないA。
「でも私、家とか仕事とかありませんよ……？」
晴明「雅の国で、私と一緒に暮らせば良いですよ。晋作もいますけど」←
「晋作と二人暮らしなんですか！？初耳ですよ」←
晴明「言ってませんでしたっけ？晋作とはかれこれ十年近くになりますよ。あと、仕事は一応陰陽師として天皇に召し抱えられていますから収入面での問題はありません」←
「あっ、思ってたより身分高い……」←
Aの呟きに、晴明はにっこりと真意の読めない笑みを浮かべる。
晴明「陰陽師ですから。
貴女と同じで、この世界ではあまり見られない人間なので重宝されるんですよ」
「………」
晴明「貴女は何も心配する必要はありません」
現実的な計画に、開いた口が塞がらない。
晴明「元の世界になんか、帰りたいと言っても帰してあげません。……貴女を、また一人きりにさせるわけにはいきませんから」
「………」
晴明「ずっと……ずっと側にいます」
愛しげにAを見つめて目を細めると、小さな手を取り白くて長い指を絡ませる。Aはぎゅっと下唇を噛んで俯くと、消え入りそうな声で告げた。
「本当に、いいんですね？」
晴明「ええ。約束です」
「……飽きたら、言ってください。貴方になら捨てられても良いですから」
晴明「そんなことしませんよ。一生手離しませんから」
ゆっくりと夜が更けていく。風すら吹かない静かな草原で、2人のやり取りを見ていたのは夜空で輝く満月だけだった……。
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白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» ご期待に沿えるものかは分かりませんが……( ；∀；)お納めください！ (2017年12月27日 16時) (
レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» ありがとうございます！待ってました！ (2017年12月27日 15時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» 分かるっ！めっちゃ見たい！確信犯物吉くん！なるべく早めにお願いします！←(図々しい) (2017年12月25日 20時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» あと、先日は勝手にパスワードを掛けてしまい申し訳ありませんでした(´；ω；`)こんな奴の作品ですが、よろしければこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» コメントありがとうございます！それ、滅茶苦茶見たい展開です。いつか番外編で実現させます！確信した上で巫女様に抱きつき、晴明さんたちに爽やかな笑顔を向けてほしい。 (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白兎優 | 作成日時：2017年11月22日 16時
