責任感 ページ25
和気あいあいとした会話の中で、甘えるように顔を摺り寄せてくる子猫の頭を撫でながらAは小さく目を細める。様子を見ていた漱石は柔らかい微笑みをたたえたまま後ろを振り返ると、優しい口調で声を掛けた。
漱石「カラスさんもそんなところに居ないで入ってきなよ〜。皆一緒の方が楽しいよ〜」
ヤタ「……ッ」
(ヤタガラスさん……？)
おれも、おれも！と子猫に対抗して顔を摺り寄せてくるイナバを撫でながらAは襖の向こうを見つめる。少しして深い瑠璃色の着物の裾が襖から見えると、視線を下に向けたヤタガラスが出てきた。
漱石「ほらほら、おいでおいで〜？こっちこっち〜」
ヤタ「………」
半ば漱石に押されるような形で、ヤタガラスはAの布団の前に座る。だが彼は太陽の巫女の前に居てもなお、じっと俯いたままだ。いつもの巫女サマトークがないことに不信感を抱いたAは、ヤタガラスの琥珀色の目を彼より目線の低い枕元から覗き込む。
「ヤタガラスさん？」
ヤタ「………」
声を掛けても反応を見せずにどこか苦しそうな表情をするヤタガラスに、Aは心配そうに眉を寄せる。暫くして、彼はAから視線を逸らしたまま震えた声で言葉を溢した。
ヤタ「ワタシの役目は太陽の巫女であるアナタをお守りし、アマツカミを取り戻す儀式を成功させるコト……。なのに……」
「………」
ヤタ「……ワタシはアナタを充分にお守りすることが出来ませんでシタ。あんな妖刀相手ニ……」
血が出るのではないかと思われる程、きつく自分の手を握り締めるヤタガラス。Aに合わせるように上げられた視線の先には、透明な水の膜がゆらゆらと揺れる右目があった。
ヤタ「ワタシは……アナタの……」
「……ヤタガラスさん」
不安定に言葉を繰り返すヤタガラスの髪をそっと撫でる。ヤタガラスはピクリと体を揺らして目を見開くと、自分より低い位置にいるAを真っ直ぐに見つめた。
「吉宗さんたちにも似たようなことを言ったのですが……この傷は妖刀の邪気を充分に祓いきれなかった私の責任です。貴方は何も悪くありませんし、気に悩む必要もありません」
ヤタ「……ッ」
「それに……前に貴方は私を助けてくれたではありませんか。今回だって貴方が途中で駆けつけてくれたからこの程度の傷で済みましたし……。
……人に触れられるのは苦手でしたが、それも貴方のお陰で克服できましたし」
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白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» ご期待に沿えるものかは分かりませんが……( ；∀；)お納めください！ (2017年12月27日 16時) (
レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» ありがとうございます！待ってました！ (2017年12月27日 15時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» 分かるっ！めっちゃ見たい！確信犯物吉くん！なるべく早めにお願いします！←(図々しい) (2017年12月25日 20時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» あと、先日は勝手にパスワードを掛けてしまい申し訳ありませんでした(´；ω；`)こんな奴の作品ですが、よろしければこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» コメントありがとうございます！それ、滅茶苦茶見たい展開です。いつか番外編で実現させます！確信した上で巫女様に抱きつき、晴明さんたちに爽やかな笑顔を向けてほしい。 (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白兎優 | 作成日時：2017年11月22日 16時
