上に立つ人間として ページ21
「すみませ……いや、ありがとうございます」
晴明「……あまり無理はするものではありませんよ」
謝りかけた言葉を途中で切り、不器用ながらも柔らかく微笑むA。晴明は彼女に優しい瞳を向けると、肩の傷を労るようにそっと布団の上に横たえた。
家光「ふーん…随分仲良くなったんだねぇ。巫女チャンと晴明チャン」
晴明「ええ。何か問題でもおありですか？」
家光「別に〜？中々お似合いなんじゃない？」
なんとも形容しがたい強い視線を向けてくる晴明に対して、家光は新しい玩具を見つけた子供のような笑みを浮かべる。一方、Aは土下座を続ける綱吉と吉宗に必死に言葉を掛けていた。
「こんな体勢からで申し訳ないのですが……土下座は止めてくれませんか。私、貴殿方よりも身分低いですし、他人に頭を下げられる程価値のある人間だと思っていませんし……」
吉宗「女性の体に傷をつけておいて簡単に顔を上げるなど出来るはずないだろう！そんなこと、徳川家の者である以前に人として最低だ！」
「傷とか気にしませんから……。徳川家の方に土下座をされるとか、ばちが当たりそうなので止めてください……」
体調が悪いせいかいまいち声に覇気がないA。布団の中で小さく息を吐き、額を畳に擦り付け続ける綱吉と吉宗を気だるげな表情でじっと見つめた。
「むしろ謝るべきは私の方です。結局妖刀の邪気を祓い切れませんでしたし、色々と迷惑をかけてしまいましたし……。その上手当てまでしていただいて申し訳ないと言うか……」
綱吉「何言ってるんだよ！お前は充分やってくれたじゃないか！」
「いえ、私もまだまだ未熟です。
……何度も言いますが、お願いですから土下座は止めてください」
げほ、と咳をしながらそう言うと、綱吉と吉宗は戸惑いつつもおずおずと顔を上げる。Aはぼーっとする頭を働かせて2人に掛ける言葉を考えると、ゆっくりとした口調で話を始めた。
「上から目線で申し訳ないのですが、お二人とも人の上に立つ人間なんですからもっと堂々としてください。そもそも今回の事は妖刀の邪気を祓いきれなかった私の責任ですし、傷なんて本当に気にしませんから」
吉宗「だが……」
「……私にとってはこれも思い出ですよ。大事な記憶です」
傷のある肩に視線を向け、小さく呟く。意表を突くAの言葉に、綱吉と吉宗は2人揃ってぱちぱちと瞬きをした。
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白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» ご期待に沿えるものかは分かりませんが……( ；∀；)お納めください！ (2017年12月27日 16時) (
レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» ありがとうございます！待ってました！ (2017年12月27日 15時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» 分かるっ！めっちゃ見たい！確信犯物吉くん！なるべく早めにお願いします！←(図々しい) (2017年12月25日 20時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» あと、先日は勝手にパスワードを掛けてしまい申し訳ありませんでした(´；ω；`)こんな奴の作品ですが、よろしければこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» コメントありがとうございます！それ、滅茶苦茶見たい展開です。いつか番外編で実現させます！確信した上で巫女様に抱きつき、晴明さんたちに爽やかな笑顔を向けてほしい。 (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白兎優 | 作成日時：2017年11月22日 16時
