愛しさ ページ17
晴明「Aさん」
異様に静かな部屋に、晴明の声だけが響く。Aは息を呑んで彼の顔を見つめた。
晴明「私は貴女が……好きです」
「……！」
晴明「一人の女性として……」
Aは驚きで目を大きく見開く。たった数センチメートル先の紅い瞳には、どこか切なげな色が映っていた。
晴明「いつからか……と、聞かれても私自身にもよく分かりません。どこが好きなのかも、何故好きになったのかも。
……いつの間にか好きになっていたんです」
好き。
ナンパをされたときに何度も聞いた、安っぽい言葉。そう思っていたはずなのに、晴明に言われると何故か不思議な暖かさと質のある重みを感じる。
晴明「貴女が眠っていた数日間、世界が色を失ったようでした。
何を見ても美しいと思えない。楽しいことも、貴女が一緒でないと酷くつまらない」
「………」
晴明「貴女が自分に生きる価値がないと言うなら、私は貴女を生きる理由としましょう。一生をかけて、貴女を必要とし続けしましょう。ですから……」
言葉を切ると、Aとおでこをこつん、と合わせる。唇に熱い息が掛かり、Aは自分の頬に熱が集まるのを感じた。
「……っ」
晴明「……もっと自分に優しくなってください」
晴明はそっと瞳を閉じ、すりすりと額を寄せる。愛しげに、二度と自分から離れないように。Aは熱くなった顔を隠すように視線を下に向け、蚊の鳴くようなか細い声で口を開いた。
「せ、晴明……。私は……」
晴明「はい」
「……っ、その……」
よくナンパをされる割にはそういう行為への耐性がないらしいA。はっきりとよく通る晴明の声に狼狽え、恥ずかしそうに耳元を赤く染める。
「晴明のことは大切ですし、そういう風に想われているのは……嬉しいのです。けど、貴方と同じ気持ちかと聞かれるとはっきりとは……“私も好きです”とは、言えないんです。恋をしたことが、ないので……。お気持ちは嬉しいのですが……」
言葉を詰まらせるA。だが晴明は動じることもなく、俯くAと目線を合わせた。
晴明「それでも構いません」
「……？」
晴明「貴女に愛されなくても、側にいれるだけでいい。……貴女がそれを許してくれるのなら」
優しい瞳でAを見つめ、暖かな笑みを浮かべる。そして幼い子供にするように彼女の頭をぽんぽんと撫でた。
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白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» ご期待に沿えるものかは分かりませんが……( ；∀；)お納めください！ (2017年12月27日 16時) (
レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» ありがとうございます！待ってました！ (2017年12月27日 15時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 白兎優さん» 分かるっ！めっちゃ見たい！確信犯物吉くん！なるべく早めにお願いします！←(図々しい) (2017年12月25日 20時) (レス) id: af2272c6ba (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» あと、先日は勝手にパスワードを掛けてしまい申し訳ありませんでした(´；ω；`)こんな奴の作品ですが、よろしければこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
白兎優(プロフ) - 八咫烏さん» コメントありがとうございます！それ、滅茶苦茶見たい展開です。いつか番外編で実現させます！確信した上で巫女様に抱きつき、晴明さんたちに爽やかな笑顔を向けてほしい。 (2017年12月25日 20時) (レス) id: 87319c2df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白兎優 | 作成日時：2017年11月22日 16時
