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大ちゃんの事が心配で。
私の過去の事は、絶対知りたくないって言ってくれてたし。
それなのに、目の前であんな事になっちゃって。
何か罰を受けているようなキス･･･
いつもの、優しい甘いキスと全然違って、
大ちゃんの気持ちが、荒れてるのがわかったから。
･
次に行くとこ、聞いてなかったし、
振り向いて進んだ方向には、駅もないし、
大きな公園があるだけなのに。
どこに行こうとしてるの？
･
公園か･･････
ちゃんと話したくて、やっぱり追いかけた。
･
「大ちゃん！」
･
びっくりしたような顔で、振り向いた。
有岡「課長･･･」
A「私も一緒に行く･･･」
営業カバンを持ってない方の手を、ギュッと握った。
ちょっと恥ずかしそうに、握り返してくれて、歩き始めた。
A「大ちゃん…どこ…行くの？」
まだ息が上がった状態で、途切れ途切れに聞いた。
有岡「え？うん･･･････どこだろ」
斜め上を見上げて、フーッて溜息をついて
有岡「俺は、どこに行きたいんだろ。
俺は、どうしたらいいんだろ････」
そう言って、急に立ち止まった。
・
そんな大ちゃんの正面に立って言った。
A「私･････もう、何とも思ってない。
大ちゃんの事だけが、好き。
さっきは、助けてくれて嬉しかった。
王子様に見えたよ」
辛そうな顔の大ちゃんの事、見てられなくて
カバンを地面に置き、抱きついた。
いつも、回したくても回せなかった背中に、腕を回し、ギュッて抱きついた。
ドンッ
大ちゃんもカバンを落としたみたいで、
有岡「あ･･･････そうやって、腕を回してほしかった…
信じていいの？
俺の事が好きだって。
さっき、負けたくなくて、勢いで呼んでみたんだけど。
俺も『A』って呼びたい････いい？」
A「うん、いいよ…
ちょっと、嬉しかったし」
有岡「じゃあ、俺の事も『大貴』って呼んで。
いいでしょ？」
A「え･････それは……
ちゃんと、付き合える事になってからでも、いい？」
(有岡)「俺の事････好きって言ってくれても、
付き合えない可能性もあんの？
なんか、わかんねえよ」
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年1月6日 20時
