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A「あんな風に、痛いくらいに手首をつかまれたり…
怖くなるの・・・・
急に子供が出来たなんて、言われるんじゃないかとか。
簡単にサヨナラって、捨てられるんじゃないかって。
だから、もう少し恋人ごっこ…させて」
有岡「ごめん、さっき痛かったよね。
見せて・・・・」
少し、体を離して、私の左手首を見た。
特に何もなってないけど、あなたは優しく唇を落とした。
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わかってる・・・・
涼介の痛みを、忘れさせる為だって事。
その後、大ちゃんの辛い思いが、その手首から伝わってきたから。
今度は、優しく甘いキスで、熱くなるくらいあなたの思いが伝わった。
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A「ねえ、少し休憩・・・・したい」
有岡「あ、うん」
泣きそうだった顔が、ゆっくり笑顔になってきて、地面に落ちているカバンを二つとも持ち、
反対の手を「ハイッ」て出してくれたので、その手を握って、公園のベンチに向かって歩き出した。
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初夏の日差しが強くて、二人とも上着を脱ぐくらいだった。
A「ねえ、あれ食べよ!」
売店のソフトクリームの看板を指さして言ったら
有岡「好きなの?この前も食べてたよね」
A「暑いしー、いいじゃん」
有岡「ねえねえ、メガネしてるの、気が付いてる?」
A「あっ・・・・」
気が付かなかった。
大ちゃんといると、自分がコントロール出来なくなるのかな。
A「大ちゃんに夢中で、忘れてた」
有岡「なんだよ、それ。
俺の前では、つい可愛いAになっちゃうって事?」
あらためて、呼び捨てで呼ばれて、ドキッとして。
「可愛い」なんて言われて、また恥ずかしくて、
A「もー、大ちゃんのおごりだからね!」
有岡「ふふっ、別にいいけど」
お仕事用のだてメガネを取ってから、
日陰のベンチに腰掛けて、二人でソフトクリームを食べた。
明日からのGWは、何がしたいかとか、今日は、朝から色んな感情で疲れたとか、
プライベートも仕事も・・・・ずっと一緒だとどうかなって思ってたけど。
好きだから・・・・好きな人と一緒だと、幸せだなって思った。
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ねえ、大ちゃん…
久しぶりにする恋愛だからかな。
付き合いたての恋人達って、こんなに不安と幸せと忙しいの?
いつか「大貴」って呼べるようになりたい…
そう思ってるからね。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年1月6日 20時